今夜だけ今夜だけ 夢草紙人情おかんヶ茶屋/今井絵美子<アマゾンより>翔太とおこんの兄妹は父親を亡くし、幼くして母親とも生き別れた。兄は妹を親に代わって育て、無事嫁入りに目途が立った。それでも気がかりは母親のこと。赤ん坊のころに別れたため、おこんは母親の面影さえ憶えていない。どんな女だった、と訊く妹がいじらしくて、翔太は母親を祝言に招こうと訪ねる。しかし、別れて過ごした二十二年という歳月が母子の仲を大きな溝で隔てていた。2016/070