深尾くれない/宇江佐真理
今年もめでたく100冊読破達成。
この作品は
実在した鳥取藩士の剣豪で
雖井蛙流平法の創始者である
深尾角馬を主人公とした物語。
角馬が主人公なのですが
物語は二番目の妻と
その妻との間にできた娘の視線で
多く描かれています。
不義をした先妻を手打ちにした角馬。
無口で実直な男は
その後も剣の道に精進。
やがて後妻を迎えることとなり
そして自分独自の剣法を
編み出していきます。
しかし、不器用ゆえに
その人生は波乱万丈であり・・・・・・
この深尾角馬という剣士
俺は知らなかったのですが
鳥取の本浄寺で眠っているそうな。
あまり明るい話ではなく
気持ちがややへこむところもありますが
読み終わってやはり思ったのは
武士とは何たるか、ということに尽きましょう。
作者も言っている通り
この深尾角馬こそ
武士の中の武士なのでしょう。
武士として生きることが
とてもつらいことだとしても。
2008/100
