東京駅物語 | DAILY LIFE

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なんてことない日常のおぼえがき

東京駅物語/北原亞以子


中央停車場として

建設が開始された明治から

太平洋戦争が終わったあとの

昭和21年まで

東京駅を舞台に描かれる

連作短編集。


全9話の登場人物が

巧妙にそれぞれ絡み合っていて

面白かった。

ただ、時代背景が時代背景だけに

暗いお話が多いですけどね。


なにもない

はらっぱだった丸の内に

東京駅が出来た時は

きっとものすごく

壮大に見え

またそこにはたくさんの夢があったのでしょう。

そしてその尾羽打ち枯らす草っパラにあった

東京駅の周辺がどんどん開発されていくうちに

そこは

地方から出てくる人の

夢の舞台になり

そこで多くの夢がかなえられ

そこで多くの夢が奪われ…。


現在の日本は

多くの希望と多くの失望の上で

成り立っているわけで

そう考えたら

僕らももう少し一生懸命

生きなければなりませんね。


2008/049