天気は雪。
強い風の中
午前中はパウダーを堪能。
がっちり楽しんでから
バスに乗ってキロロを去りました。
空港は前日の欠航のせいで
人がごったがえし。
さくさくと搭乗手続きをすませて
土産を物色。
保安検査もやや込んでたけれど
さっさと通過。
ビールを飲みながら状況を見る。
案内板では2時間35分遅れ。
やれやれ、電車は間に合わないかな。
でも帰れないよりはいいよね
と新聞読みながら待つ。
(これより松平風)
しかし
定刻から2時間経過した21時半
ついに“そのとき”がやってきます。
出発予定時刻が近づいても
羽田からの航空機が到着せず
全日空76便は敢え無く欠航となったのであります。
それは帰京を信じていた人たちにとって
あまりにもむごい現実でした。
乗客のひとりは
そのときを振り返って
こう証言しています。
「嫌な予感はしてたのですが
運を信じて待っていました。
欠航の案内があったとき
ただただ脱力感のみ感じられるだけでした」
欠航が決まったそのとき
ロビー内にはどよめきが広がりました。
しかし、誰も天候に逆らうことはできず
76便の乗客は欠航手続きへと向かったのであります。
無事に機材が到着していた74便の乗客の安堵の表情と
失望感に満ち溢れた76便の乗客が入り混じるその光景は
まるで天国と地獄のようだったと言われています。
(松平風ここまで)
あーあ、困った。
しかしどうしようもないので
欠航手続きに行くと
これがまたとんでもない人の数。
しかも翌日の便は全て満席
翌々日の予約をして
翌日はキャンセル待ちとのこと。
これじゃいつになったら帰れるのか
見当もつきません。
そこでJR時刻表をめくってみると
南千歳を22時41分に出る夜行急行に乗れば
函館で特急に連絡
八戸で新幹線に連絡して
東京には朝10時に帰れそうです。
電話で確認すると
夜行急行は定刻どおりに出るとのこと
これにかけることにしました。
(これよりまた松平風)
JRの駅へ向かった
帰京への執念を燃やすYHの目に飛び込んできたのは
空港ロビーと同じくらいに混雑する風景でありました。
そのとき、構内放送では雪と風のため
札幌からの列車が50分遅れであることを告げはじめます。
それはまさに、YHの野望を簡単に打ち砕いた
まるで無常のゴングのようでありました。
(松平風ここまで)
まいったなー。
陸の孤島状態です。
しかし南千歳は空港の隣の駅。
タクシーで行けば簡単なはずです。
(これよりまたまた松平風)
タクシー乗り場にいたのは
長い長い行列を作る人たちでありました。
その列は一向に進むことなく
降り続ける雪が
人々の体を凍えさせていくだけでありました。
空車のタクシーを求めてさまよう人の波は
今このとき
列車による帰京の夢をも飲み込む
大きな波ともなったのでありました。
わずか数キロ先への移動がかなわぬまま
非情にも時は22時41分を過ぎていったのであります。
(松平風ここまで)
はい、とりあえずギブアップです。
欠航手続きカウンターに並びなおし
ようやくキャンセルの手続きが完了したのは23時半。
空港の会議室に用意された
仮眠所で寝袋にくるまった時には
0時を過ぎていました。