昨年から計画していた我が家のリノベーションですが、今年に入ってからようやく着工し、途中コロナ禍の影響で多少工事の遅れが生じたものの、何とか7月には竣工させることができました。

 

床はオークの厚突き単板張り(表面3mm厚の積層合板)自然塗装で無垢材同等の素材感の上、積層構造なため反りが出ません。

壁は、吸放湿性のある珪藻土クロス貼り。

キッチンスペースの天井には、杉無垢材の羽目板張りで空間の違いの演出効果を。

キッチン本体とカップボードはオーク天然突き板合板を用いた自作です。

 

玄関からリビングへ続く土間スペースは、庭へも直接出られ、屋内外の多様な動線が可能です。

長年の念願だった薪ストーブIRON DOG Nº07(アイアンドッグ Nº07 ドイツ製)

(ストーブ詳細)https://www.dld.co.jp/products/stove/irondog/n07/

 

 

リノベ前の状態↓

 

元々ここは家業の店舗・事務所として使用していたところで、今回はここを私たち家族の住居に改装したわけですが、やはり新築に比べると既存の構造や条件など様々な制約があり、プランがまとまるまでに大変時間が掛かってしまいました。

 

まず、おおまかな間取りは私たちのほうでラフ図を描き、それを建設会社の設計士さんとインテリアコーディネーターさんに精査してもらうという作業が何度も繰り返されました。

 

私自身、住宅の内装や家具工事の仕事をしており、ある程度はDIYできるものの、住宅設計に関しては専門外なので、そこはプロの方たちにお願いして良かったなと思います。

動線の作り方、既存の構造の活用法など、様々なアイデアは多少建築知識をかじった程度の人間ではなかなか出てきません。

設計料という費用は馬鹿になりませんが、そこをケチるとあとあと後悔することにもなりかねず、これから住宅の購入またはリノベーションを計画しようと考えておられる方は、建設会社や設計事務所の選別には十分な時間をかけたほうが良いでしょう。

 

私はすでに工事が始まったあとに、この方の動画を見つけたのですが、家づくりに大変参考になるコンテンツだと思います。

https://www.youtube.com/c/%E3%81%92%E3%81%92gege/featured

 

 

 

設計士さんの力はもちろんですが、大工・電気工・水道配管工などそれぞれの専門業者の職人さんたちには、コロナショックの最中にも関わらず連日フル稼働していただいて本当に感謝しかありません。

 

 

↑我が家の平面図

延べ面積(住宅部分):約35坪、北面・西面は既存建物と接する

 

ちなみに気になるかかった工事費は、約1500万円(税込)ほど。

ローコスト住宅だったら新築が買えるお値段ですが、フルリノベーションで内装素材もグレードアップして薪ストーブなど入れたらこんなもんでしょう。

新築で同グレードの仕様であれば、+1000万円くらいはかかっていただろうと思います。

近隣で住宅を購入した人たちの話を聞くと、30~35坪くらいの住宅でおよそ2千万~2500万くらいが相場のようでした。(土地代除く)

 

もし、中古住宅を購入してリフォーム、リノベーションを考えておられる方は、工事の規模や、設備や建材のグレードによって大幅に金額が変わって来るので、場合によっては新築の方が総合的に同額もしくは安くなるかも知れません。

 

ただ、今後は空き家の増加で中古物件も供給過剰になってくる可能性が高く、状態の良い格安物件も手に入れやすくなるでしょう。

中古物件の査定は素人では難しいので、専門の鑑定士に依頼する必要がありますが、その経費を払ってでも総合的に予算に見合う物件があれば中古物件の購入は選択肢の一つとして十分有効だと思います。

 

日本はいまだに新築神話が根強く中古住宅は敬遠されがちですが、他の先進国を見ると大半は中古住宅が多く、古くても長年大切に使用された家は価値が上がります。

建物の使い捨てによる資源の大量消費や、野放図的に宅地開発を進めたことによる様々な弊害など、日本の高度成長期モデルの住宅事情は現状の流れにはミスマッチな部分がとても多いように思います。

今後はサスティナビリティの観点からも古い建物の価値も見直す動きが必要ではないでしょうか。