やり手弁護士と転職したタクシードライバーの恋物語


そのやり手弁護士は軽やかな弁舌で訴える人を退け、国民の人権を守り、周囲を幸せにし続ける


タクシードライバーは雨の日も風の日も雷の日も、社会の移動機能を守り続け、笑顔とコミュニケーションを作る。今までの会社で実現できなかった仕事を通じたやりがいを達成するために。


ある時タクシードライバーは、言われのない言いがかりをうけ、さまざまな迷惑を受け営業妨害の上に、さらに会社でもトラブルメーカー呼ばわりされる。人権がないような、でもいちいち訴えていたら仕事にならない。


たくさんの迷惑ごとを抱え、救われるような気持で裁判所へ行く。裁判はお金がかかる。お金のないドライバーは、しょうがなくさまざまなことをまとめて報告し、これらのことを一辺に訴えられる仕組み作りをお願いする。


そうは言ってもタクシードライバーは、笑顔を作るのが仕事だ。自分が受けた嫌がらせを他のお客さんに迷惑を与えてはいけない。



弁護士は、もともとエリートで若手の中でも抜きんでていて、簡単に問題を解決してきた。
それは判例もそうだが、論理的に、性善説と社会のルールを定期的にチェックすることですべて論破してきたからだ。

弁護士は、そのタクシードライバーの申し出を見て唖然とした。
彼が裁判所に要求したことは、多くの問題が発生した被害者がまとめて訴えることができる「ワンストップサービス」と、法律的には問題なくても頻発する嫌がらせのようなミスを特定の被害者に与え続ける環境から抜け出す方法を教えてほしいという申し出であった。
また、ドライバーは、裁判にならない多くのこのような頻発嫌がらせや、意図せぬエラーの特定の人物への
集中を解決するために、法律家に勉強会を自主的に開くことを要求した。


法律家は最初は、ドライバーを本当にトラブルメーカーだと思ったが、彼の友達を当たったら、絶対に性善説に基づく人なので、やはり申し出を受けて勉強会を開く必要があることに気付いてしまった。

弁護士は彼を知った。というかむしろ知るためにいろいろな場所で、彼の仕事ぶり、話ぶり、考えぶりを見て、彼の生きざまと彼の情熱と、かれのおっちょこちょいを全部知ることができた。

そして、彼を好きになり愛し始めてしまった。
彼は頑張りやだから、無理せず生活しながら、いろいろと知識を得ながら、社会に負けないように、自分が守っていることを知らせないように、でもたまに少し鍛えながら一人前に、そして、社会の変な出来事をすべて幸せに変えていけるように、彼を強くしようと思った。

弁護士は、一般的に起こりうる事件や頻発するエラーが、自治体や商環境そのものの価値を下げることに気がついた。ドライバーが言っていた、せっかく頑張っても笑顔が増えないのがおかしいと言っていることの意味がわかってしまった。そして、ライフワークとして彼を守りながらそだて、そして社会を明るく、価値をあげ争いをない方向にもっていくことをタリフにした。


弁護士は、彼を本気で愛してしまった。実は最初はそんな気はまったくなかった。でもなぜか彼のひたむきな
態度と、人によって変わらぬ対応を見て感動してしまったのだ。


弁護士はそして争いが世の中からなくなることを祈ってしまった。そしてそれが実現したときに彼の仕事はなくなってしまった。世の中から争いがなくなってしまったのだ。戦争もないし、勉強と日常とたまに試練があるだけの退屈な毎日だ。


弁護士はいつかドライバーに愛を告白したいと思っている。でもまだ会えない。ドライバーはこれを知ったら、失業した弁護士を愛しぬくだろう。

タクシードライバーは彼を毎日会社に運ぶのが仕事だから。

こんな二人を社会は必要とするのだろうか、また用がすめばいらなくなり追い出すのだろうか。



裁判所はまだタクシードライバーに勉強会の結果を教えていない。



自分がプラスのモチベーションの中心となるこで、
周囲の友達はプラスのモチベーションを持ち続けられるようになり、その人たちが他のサークル、社会等でプラスの気持を持てるようになるように育てるのが仕事。



弁護士は愛情を知って、検事にお願いする。
お金ではなく色を差し押さえ、機能を差し押さえ。
おかねではなく、愛情と信用に基づいて。


ドライバーは、雨の日風の日も走り続けながら、災害時の緊急対策の必要な事項をつぎつぎと頭に放り込んでいく。



おれはピザ職人


イタリアに修行に行ったあんちゃんのテレビを見て一念発起して
自分も行ってみることにした

語学の勉強は結構大変だけど、その業界で使う業界用語っていうのか、食べ物の種類や数や分量の
言い方を覚えるようにした。

もともとピザは好きだし、ピザを焼くには強火で短い時間焼くのが命なので、生地の作り方と、
トッピングの材料を選び作ることが重要なんだ。


渡航費用はバイトでためるつもりだったんだけど、結構やすいのでやっぱりちゃんとした仕事について
休みの日にいろいろな食材をテストしながら、生地まわしてみたり、トッピングの組み合わせ変えてみたり
ハーブの研究したり、そんな感じで1年間過ごしてきた。



生地が薄いのがローマ風、生地が厚いのがナポリ風。昔は薄いのが好きだったけど、厚いのも生地の粉を
工夫したり、しっかりしてさっくりした歯ごたえの生地がまた流行りになる予感がする。



パイ生地で卵が多いとキッシュになるんだけん、生地が厚くて具が薄いとなんだか味のバランスは結構
難しい気もするが、ここはこれからの研究課題だなあ。



トマトもいろいろある。イタリアントマトは調理用で酸味が強いんだけど、必ずしもピザの材料としては
マッチするとは言えないものもある。ミニトマトの糖度の高いものつまり甘いやつだな、これとか国産の
よく熟れたトマトを少し厚めにスライスしたやつなんかも結構うまい。



サラミもいろんな種類があって、太さの太いものとかコショウの粒が練りこまれているものとか、チーズも
ヤギのもの牛のもの水牛のものとかいろいろあって、組み合わせはほんとにいろいろ。



ハーブはやっぱり新鮮なものがいいので、どこから仕入れるとかそういうこともお店を開く前に研究しないと
いけないな。もちろん最近はスーパーで買えるんだけど、天候不順とかで仕入れがなくなっちゃうこともあったり
すると厭なので、こだわるものにはこだわりたい。




お勧めはやっぱりシーフードかな。もともと高たんぱく低カロリーで女子に人気だが最近では若い男性にも人気が高い。マヨネーズ味や、和風味なんかも人気が高いらしい。



味を研究するための来週のホームパーティーでは、ワイン好きのやまちゃんを呼んで、ピザに合いそうなワインを探してきてもらおうかな。やまちゃんも最近は相性を試したくて、どのワインとどんなピザが合うか研究したい
そうで、本当は秘密のメニューを少しだけ紹介することにしている。なんていうのかな、マリアージュって
フランス語では言うらしいんだけど、イタリア語ではボーノボーノであればいいので、レシピを今から考えている。




イタリアでコーヒーと言えば、エスプレッソだけど。。。


つづく