怒鳴る父親。
泣きながら訴える母。
遂に父親が母に手を挙げた。
物凄い音が2階にも聞こえた。
私は堪らず1階へと駆け下りた。
お母さんを守らなきゃいけない!!
助けなきゃいけない!!
それしか頭になく、自分が父親からどんな事をされるかなんてどうでも良かった。
私「やめてよー!!!」
父親「うるせー!ガキは引っ込んでろ!!」
父親は母を掴んで離さない。
お母さんがどうにかなっちゃう!!
そう思った私は、
「そんな汚い手でお母さんを触るな!!」
と叫んだ。
汚い。オンナがいる父親なんか汚い。
本心だった。
父親は母を離し、私に向かったきた。
父親「このクソガキャー!!いい気になりやがって!!」
母が必死に間に入る。
でも私も止まらない。
産まれて初めて父親に刃向かった。
私「オンナがいるくせに、私達に触るな!!」
必死の抵抗。
父親「お前は今日、今限りで俺の娘じゃねー!!よく覚えておけ!!」
私「清々するわ!!」
確かこれでこの日は終了したはず。
記憶から抜けてるかもだけど。
さて、この時、姉はというと。
居ました。2階の部屋に。
私は必死過ぎて姉の事をすっかり忘れていたけれど、姉はいました、部屋に。
ぜーんぶ聞いていて、何が起きてるのか、
父親vs母、父親vs私
の争いも承知の上で、
姉は何をしていたか。
聞いてビックリした。
姉「もう離婚するんだろうから、今下手に父親を怒らせると、養育費や学費が貰えなかったら大変。学校行けなくなる。」
だから、姉は2階にいたのです。
この時から、姉の本質が見えて来ました。
常に自分中心だと言う事が。