色々な角度の意見に触れたい。
少々刺激の強いタイトルではあったが、それが本書を手にした理由だ。
しかし、それは一部の改憲派が訴えるような「押し付け憲法論」の様な薄っぺらい議論ではない。氏はそれが本当に日本人にとって大切なものならば、誰がいつ決めたという事は関係なく、大切なのは中身だという意見だ。
そして、憲法も、日本がどのような国を目指すのか、その理念に基づく制定が必要だとしている。
そして、日本がその理念を守るために、絶対に譲れないものがあり、他にそれを守るために手段が無くなった場合に、最終的に国の意思を通す手段として自衛隊が存在していると言っている。
私は護憲派だ。自衛隊は違憲だという考えを持っているし、非武装による平和主義を日本は追求するべきだという考えは変わらない。
しかし、同時に現実問題として自衛隊は存在し、主義主張によらず純粋に国のために命を捧げる覚悟がある人がいる事を、私は決して忘れてはいけないと強く思った。
国のために命を捧げる覚悟がある人を、国の都合で死なせてはならない。そういう人がいるからこそ、なおさら強い理由で政治家が命懸けで平和を守らなくてはいけないと思う。南スーダンに関する国会答弁などを見ていると、とてもその覚悟が自民党議員にあるとは思えない。
本書は、読み物としても非常に面白く読みやすいが、日本は何を目指すべきかという、非常に深いテーマを投げかけている様に思えた。