自民党が中心となり、憲法改正の論点整理が活発化している。

自民党はかつて、
「自民党憲法改正草案にはこだわらない」
としていたが、ここにきて論点が見えてくると、ほとんど重要ポイントは自民党憲法改正草案と変わらない内容になっている。

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■9条の自衛隊明記は実質「国防軍創設」と変わらない

9条の重要な争点は、安部政権下で集団的自衛権をも解釈で認めた新安保法制が違憲であるという意見、世論からの指摘が強い中、明記する自衛隊にどこまでの権限を与えるかという事だ。中身こそ重要であり、「自衛隊」だろうが、「国防軍」だろうが名称は大した問題では無い。

自民党は集団的自衛権は日本も当然保有しているが、一定の制限下でしか行使しないとしているが、これはそもそもの日本国憲法が目指す平和主義とは大きく乖離する考え方だろう。

アメリカはベトナム戦争もイラク戦争もアフガニスタン戦争も、自衛戦争、集団的自衛権の行使だと主張している。安部政権下で9条改正がなされた場合、日本の若者が戦争の惨禍に巻き込まれる危険性が高まるのは言うまでもない。

■最も危険な緊急事態条項も盛り込まれている

震災や有事の際に、閣議決定が法律と同等の効力を持たせる緊急事態条項も今回の論点に盛り込まれている。緊急事態宣言を悪用し、独裁政権を作ったのはナチス政権であるなど、権力の暴走を止められない恐れもある危険な条項である。
自民党憲法改正草案の条文では、どのような場合に緊急事態が宣言できるか極めて曖昧であり、ほぼ内閣総理大臣の独断で緊急事態が宣言出来ると言っても過言ではない。

■今回は天皇を元首とする論点も盛りこもうとしている

日本が天皇の名の下、先の大戦を引き起こし、多くの方々が亡くなったのは紛れもない事実だろう。天皇が象徴という、ある種独特な立場になったのはそういう背景がある。なぜ今、天皇を元首とする改正が必要なのか全く理解に苦しむ。



自民党は自身の憲法改正草案を撤回していない。引き続き自民党憲法改正草案を研究する事により、安部政権下での改憲反対を訴え続けていきたい。