海外で学ぶ最新のマネージメント。経営者が抱える問題解決。 | 住野康博〜アメリカとカナダで挑戦し続ける者〜

住野康博〜アメリカとカナダで挑戦し続ける者〜

すみちゃんとも呼ばれています。セカイとニッポンの間で挑戦中。長いアメリカ生活を終え、カナダへ。カナダで経営者しています。

久しぶりの日記になってしまいました。最近はお店の場所選びなどで、バタバタしていて、やっと落ち着いた所です。(すぐに次のプロジェクトが始まるので、チャージしている所です。)

ところで、今回は海外でのマネージメントについて少しお話しいします。私は数年前まで飲食業は本職でなく、主にマネージメントを学んでいましたが、飲食業で働き始めてから、私は大小少なからず、アメリカ、そしてカナダでいくつかの成功している飲食店で働かさせていただきました。そしてある発見をしたのです、それはこれらの99%の店舗で共通している所でした。

それは商品にこだわっている店であればあるほど、マネージメントの質が悪く、非常に非効率的ということです。

特に海外の飲食業でマネージメントで特に弱いと思った所は3点あります。
1点目はHR管理とスケジュール管理。
2点目はマニュアル管理と実行トレーニングマニュアル
3点目は会社からの医療保険とその他の民間医療保険などの補助制度のサポートです。


私の個人的な意見ですが、海外の飲食業でも、比較的に日系会社のマネージメントの効率化が悪い傾向にある事を発見いたしました。これは日本式のマネージメントとアメリカのマネージメントの方式が基本的に違う事もあると思います。簡単な言いますと、日本人は弟子や右腕を育てる人情マネージメント(テクノロジーを主体としないマネージメント)を主体とし、アメリカやカナダはドラッカーのような論理的システムマネージメントを主体にしているからだと思います。

これらは非常に大事な項目であり、大きな会社にするにはこれらの事はちゃんと最初からプランにいれておかなければいけません。マクドナルドや大手のチェーンでも会社によって違いますが、私はマクドナルドや大手のチェーンなどでも働かさせていただいたので、この大切さがよくわかります。

今回は実際にWhole foods marketを例に1点目のHR管理とスケジュール管理について、お話しし、そして解決策の事例をだして説明していきたいと思います。

まず、スケジュール管理。これはレストランでは、ほぼ90%の所で、紙を主体とした方法でオペレーションしている会社がほとんどです。しかし、これでは問題がでてきます。このように日常的に人的な作業を行っていくと、正確性に問題がでてきます。これはタイピングエラーだったり、不慣れなスタッフなどが記入場所を間違えたりしておき、再入力やタイピングなどの人件費や時間も1年を通せば大きな負担になります。スケジュール管理は個人のスケジュールの変更だったりがあるため、メネージャーや日頃のマネージメントに大きな負担がかかります。これはある程度はしょうがないですが、絶対にマネージメントの負担を減らす必要があります。これらは非常に大事な項目で、これらの問題意識が会社としてあるかないかで、その会社の成功のScaleとビジョンが明確にわかります。多くの店舗展開をしていくなら、これらは最初の段階である程度、煮詰めておく問題だと私は思います。なぜならスケージュールが大変という問題はビジネスを主体にして考えてみると、緊急性が低く、ビジネスの全体視点から考えた時は重要性が低い問題だからです。もちろん、マネージャーからしてみれば、人を探さねければということで、空いた人枠を埋めるために、電話をしまくらなければいけませんので、緊急性は増しますが、ビジネス自体からみれば、緊急も重要性も極めて低い問題です。問題はスケジュールがどうのこうのといわけでもなく、人がいないことではなく、これらを防ぐ、または2-3のバックアップシステムがないことが非常に問題なのです。
そして、システムを改善をしつつ、最強のシステムを構築して、実戦できるかできないかという事が会社として非常に重要な問題なのです。これらができてないという事は会社としての成功のScale規模が小さい、または確率してない可能性があります。

幸いにも、私には、日本と海外に飲食業界でのメンターがいます。アメリカとカナダで1代で200店舗までお店を出して大成功させたメンターや世界中を飛び回り、麺の世界事業の拡大を支えている方など、彼らの経験値は私なんかの比較にもならず、過去3年ほどはしっかりと学ぼうと一言一言をそばで聞き漏らさずにしていました。ここで、おもしろいことを発見したのです。それはカナダ人だろうが、日本人だろうが共通しているお話しをよく聞かされました。それはビジネスを飛行機のフライトに例えるというお話しで、非常に理にかなっています。 1店舗目をちゃんと成功させるということがまず、大事という方がよくいらっしゃいますが、それは自分の目的地(ビジョン)に到着するまでは必然であり、ビジネスをやるからには、どんな事があっても成功させるというのは、言うまでもありません。(結果はもちろん、わかりませんが)問題はその先がちゃんと事前に見えているかという事だと私は思います。

このビジネスを飛行機のフライトに例えるお話しの中で、一番大事な事はフライトの目的地を”明確化”するということです。つまり、どこに飛行機を着陸させるかを飛ぶ前の段階で明確にわかっているという事です。実際の飛行機では当たり前の事ですが、これがないと飛行機は燃料が切れて墜落します。目的地を定めるという事で、そこまで飛べる飛行機の選択、そして、目的地までの燃料の計算、目的地までの経路の設定など、非常に大事な事が定まってきます。これはビジネスでも一緒で、このフライトでいう目的地が、ビジネスでいう最終のビジョンになります。そしてこれがないと長い目で見た時に大きな成功は得られないと確信しています。

そして、1店舗1店舗の成功は会社の目標やビジョンを達成するための通過点であるべきです。経営者としては、最終的に達したいビジョンを持ち、どんな会社で使命があるのかを明確にして、それに伴ったシステム作りと人材を集められるスキルがある事が何よりも大事だと私は思います。

使命とビジョンを明確する事にやって大成功した学生3人組。2007年に学生だった彼らが創業してから約8年。今ではなんと30店もの店舗展開をしているSweetgreen。彼らは別に飲食業に携わっていたわけでも、ありませんし、莫大な資金もあったわけではありません。その成功の秘訣は一貫性とビジョンの明確化によるファンの獲得です。



よまぁ、話が少しずれてしまいましたが、ビジョンの明確化非常に大事です。


HR管理の話しに戻りますが、既存のほとんどのHR管理システムも非常に難しいものが多いです。しかし、HRほど簡単なシステム作りをしなければいけないものはないはずなのに。

そこで何が大事かという事、それはマネージメントからスタッフ一人一人に自分の管理をするツールを提供して、マネージメントはそのツールの使い方を徹底的にトレーニングし、管理するということです。つまりスタッフに自分で自分を管理をする権限と責任を与えて、マネージメントの負担を減らし、本来の作業に費やす時間からマネージメントに集中する事ができるのです。それでは、リスクをなくし、管理をすることができる方法、それはなんでしょう?

それはテクノロジーです。皆さんはWorkdayという会社をご存知ですか、日本では今年からサービスを始めたアメリカの会社です。










でも、スタッフにそこまでの権限を持たせたりするのは恐ろしいと思うかもしれません。しかし、これらは非常に大事なことです。これらのシステムを構築することで大きく変わる事。それはスタッフの自分のことは自分で責任を持ち、計画性を持つという、”意識改革”です。そしてこれが何よりも全体のマネージメントの質を底から押しあげて、マネージメントの質と効率を飛躍的にあげる材料になります。

私が働いているWhole foods Marketは非常に多くのシステムがあります。その一つとして、Workdayを導入しています。日々、彼らのシステムを学び、習得しようと励んでいるのですが、その効果は非常に素晴らしいものがあり、利用している私もその利便性に非常に満足しています。

会社ごとにログインを作られ、本人は会社のアカウントにログインすることになります。


ログイン後の画像。素晴らしい所は給料明細から、医療保険の変更や内容確認、その他の民間保険の加入内容やスケジュールの変更、そしてバケーションのリクエストなどもすべてここから行えるようになり、マネージメントチームはこれらの要望や変化を瞬時にレシーブすることができるのです。



では、どういったメリットがあるのかというと、それは管理、オペレーションがよりシンプルになるということです。この複雑なシステムを”シンプル化”するという事は、最近のテクノロージーでの大きな傾向ですが、このシンプル化ができるというのはクラウド専業だからという点も忘れてはいけません。情報をクラウドで共有し、活用する事により、効率化を図り、コーポレーション自体が本来集中しなければいけないマネジメントにより時間を与えられるという点が非常に大きな利点です。そして、もう一つはコストです。コストは従来のHRシステムよりも格段に下がります。そして、既存のHRシステムを購入したほとんどの場合、商品の価値はその支払った値段に見合った内容ではないのです。

これは音楽産業革命に例えられるとわかりやすと思います。これは今まで台頭していたCDやMDからアップル社が提供するItuneが市場を全く違う形にしてしまった現象に近いものがあります。クラウド上でやりとりができるようになり、情報の管理とコストが下がり、結果的に曲1曲をCDで買うよりも安く買えるようになったことに似ています。要は顧客のNeedsに最高の形で答えた形になります。HRソストも同じような道を辿りつつあり、よりコストを低く質が良いものが市場に出始めてきました。これは非常に飲食業にとっては朗報だと思います。

今週からカナダのバンクーバーで会社を設立する手続きを始め、1週間から10日で完了する予定です。またこれらのプロセスについてもいつかブログにしたいと思っています。ちなみにWorkdayは新規立ち上げの会社で将来の導入予定をしており、この他にもクラウド専業のオペレーションシステムも導入したいと思っていますので、これからどんどん面白くなりそうです。今、現在200名以下の会社にはWorkdayはソストの販売をしていないので、まずはそこまで成長しないとね。