ニュースを見ていると、まるで世界の運命がG7で決まるみたいな報道が続いている。
高市首相がフランスへ向かった。
各国首脳と会談した。
重要な議題を協議した。
レアアース問題も話し合われた。
聞いていると、日本が世界の中心で外交を動かしているような気分になってくる。
でも、ふと思った。
その会議、
中国いないよな。
いや、中国を呼べという話じゃない。
もっと単純な疑問だ。
世界最大級の製造業国家がいない。
世界最大の貿易国の一つがいない。
世界のレアアース加工能力の大半を握る国がいない。
その状態で「世界経済について話し合う」って、少しおかしくないか。
例えるなら、米の値段が上がっている時に、農家を呼ばずに消費者だけで会議をしているようなものだ。
もちろんG7に意味がないとは言わない。
安全保障もある。
価値観の共有もある。
外交調整もある。
でも最近の日本の報道を見ていると、どうも現実とのズレを感じる。
G7で協力すれば解決できる、仲間が助けてくれる、新しい供給網ができる——そんな期待がどこかに漂っている。
現実はどうか。
カナダも中国と取引している。
ドイツも中国市場を失いたくない。
フランスも同じだ。
みんな「中国依存から脱却する」と言いながら、実際には依存している。
当たり前だ、商売だからだ。だから日本が「助けてくれ」と言ったところで、各国はまず自分の利益を考える。国際社会ってそういうものだろう。
仲間だから助けてくれる、じゃない。
それに、そもそも他の国から見た日本って何なんだろう。
日本が強硬な姿勢を見せるたびに、俺は少し恥ずかしくなる。トランプですら最終的に中国と手を打った。あの男が黙ったんだ。それなのに日本だけが「対中強硬」を旗印に掲げて、仲間に向かって「一緒に戦おう」と呼びかける。
他の国の首脳は、内心何を思っているだろうか。
「頼もしい同盟国だ」
とはなかなか思わないだろう。
むしろ逆だ。戦後八十年、アメリカの傘の下で生きてきた国。憲法からして占領期に書かれた国。中国に対して三千万人規模の戦争被害を与えておきながら、いまだに正面から向き合えていない国。そういう国が「中国に対抗しよう」と言っている。
誰が本気でついていくのか。
カナダもドイツもフランスも、中国との商売は続けたい。中国はそれをわかっていて、日本に手を貸した国を静かに見ている。
だから誰も動けない。
動けないんじゃなくて、動かない。
もっと正確に言えば、動く理由がない。
日本を助けることで得られるものより、中国を怒らせることで失うものの方が大きい。
それだけの話だ。
それなのに日本人は時々、G7を見ていると困ったら誰かが助けてくれるような感覚になる。
エネルギー危機の時もそうだった。
半導体競争でもそうだった。
結局みんな自国優先だった。
それが国家というものだし、そうでなければ政治家失格だろう。
考えてみると不思議だ。
日本は三十年以上経済停滞を続けている。
人口は減る。
賃金は伸びない。
国際競争力ランキングは下がり続ける。
製造業の存在感も昔ほどじゃない。
それなのに、どこかでまだ「先進国クラブの中心メンバー」という感覚が抜けていない。1980年代の成功体験が、まだ頭のどこかに居座っているのかもしれない。
でも世界は変わった。中国が巨大化した。中東も資源を武器に存在感を高めている。
世界の重心そのものが動いているのに、日本の政治報道はまだG7を開けば世界が動くような話をする。
今回もレアアースが議題に上がる。でも会議でレアアースは掘れない。共同声明で精錬工場は建たない。拍手で供給網は作れない。必要なのは何十年単位の投資と産業政策だ。そういう地味で苦しい話より、首脳外交の華やかさを報じる方が楽だからだろう。首脳同士の握手を見て、「日本はまだ世界の中心にいる」と安心できる。
でも本当に必要なのは、その安心から目を覚ますことじゃないか。
G7が重要かどうかの話じゃない。日本がまだ1985年を生きているのか、それとも2026年を生きる覚悟があるのか。問われているのは、そっちだと思う。
そして何より、高市総理は誰よりも分かっていると思う。
お孫さんは中国留学中らしい〜〜笑
