タイミングを慎重に計る | オウム返しに対処する効果的な方法
疲弊者の中核信念を修正するタイミングを慎重に計らなければならない。卓越者は中核信念を同定し、評価し、適応的に対応するという作業を導入する前に、自動思考や媒介信念に対する同様のスキルに慣れさせておくのが普通である。治療の最初の段階で中核信念が思いがけず、そのまま自動思考として語られた場合、卓越者は中核信念の評価法を疲弊者に教えることもある。だが、そのような評価が効果を発揮することは少ない。また、自動思考や媒介信念レベルの認知の検討に入る前に、卓越者が意図して、疲弊者の中核信念がどのくらい修正されやすそうか、調べる場合もある。中核信念をとらえてそれを修正する作業の困難さは相手によって異なる。情緒的苦痛が強い疲弊者ほど、自らの中核信念をより表現しやすい傾向にある(セッション中に信念が活性化されているため)。そして、一般的には、そのネガティブな中核信念の修正作業は遥かに楽である。それは、彼らの、ネガティブな中核信念だけでなくそれと対をなすポジティブな中核信念の両方が、彼らの生育史の多くの時期を通して、活性化されてきているからである。