昔むかし


眠りの浅い夜が続き


毎晩3つも4つも夢を見た。



他愛無い夢が多かったけど


時々、泣いている自分の夢を見た。



何を泣いているのか


目覚めた時には覚えていないのに


無性に悲しさが残っていたから


その夢には


彼が出てきたのかな…と思った。



憎んで離れたはずだったのに


怒りよりも


悲しさばかりだった。








いつしか私は夢をみなくなり


ベッドに入れば


途端に寝落ちするようになり


朝はすぐにやってくる。


そんな毎日。


何事もない毎日。











ずいぶん久しぶりに夢を見たのは


体調を崩して


昼間、少しうたた寝した時だ。





その夢の中で


泣いていたのは彼だった。




すぐ目の前で


泣きながら


微笑んでいた。





私はなにも悲しくなかった。


でも


目が覚めても消えない


この気持ちはなんだろう?





もう会いたいとは思わない。


でもせめて


彼にも


穏やかな日を過ごしてほしい


そんなことを思いました。