警察が発表している自殺統計で、分類方法が誤っているため、
正しい対策が考えられていないという部分があります。
上記のリンクは平成28年分の自殺について、
原因・動機別の分類をした表です。
警察では犯罪の捜査において「動機」というと、
原因のほかに目的も含まれますが、
自殺に関しては目的が無視されています。
ここに分類されている「生活苦」や「倒産」などは、
原因となる事象ですが、目的の側から考えると「逃避」です。
それは、自殺対策基本法の第一条にも現れています。
「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現」
との文言があります。
追い込まれて自殺するという自殺観が規定にあるのです。
ところが、自殺の目的は逃避だけではありません。
私が考える自殺の目的は以下の通りです。
(1)逃避・・・何かから逃げる
(2)攻撃・・・誰かを攻撃する(復讐も含む)
(3)謝罪・・・死んでお詫びをする
(4)尊厳死・・・人間としての尊厳を守る
(5)成仏・・・悟りの世界へ行く
(6)その他
謝罪目的の自殺については、
「一死以テ大罪ヲ謝シ奉ル」と書いた陸軍大臣阿南惟幾や
「身命をもって責任とお詫びにかえさせていただきます」と書いたた松岡利勝農林水産大臣などが例に挙がります。
尊厳死としての自殺というのは、
尊厳死協会が定義するものとは異なります。
自らの意思で人間の尊厳(当人のプライドなど)を守るために、
自殺をするものです。
「ぼくは12歳」( 岡真史著)という詩集の最後の詩(自殺する直前に書かれたと思われる)などは、この自殺が尊厳死を表すのではないかと思います。
成仏としての自殺というのは、
「厭離穢土欣求浄土」とか、仏になって衆生済度をするとか、
そういう目的で自殺するものです。
このように目的別に分類すると、
逃避自殺対策==自殺せずに生活できる方策の検討
攻撃自殺対策==正しい攻撃方法の普及・啓蒙
謝罪自殺対策==正しい謝罪方法の普及・啓蒙
というように方策が分かれます。
過労自殺を例に取ると、退職した後の生活の保障をどうするか、という逃避自殺対策の側面からの検討のほかに、労働法規の違反を告発する方法の啓蒙という攻撃自殺対策の側面も検討する必要があります。
尊厳自殺対策については、書くと長くなりますので割愛します。
政府が逃避だけしか考えていないこと、
そして、逃避対策としても、たとえば生活保護や年金の減額など、
生活できる方策と真逆の政策をとっていることは、
政府が本気になって対策をしていないことの現れでしょう。