自殺対策の難しさは、
対策を考える人が「自殺したいと思ったことがない」ということも、
大いに関係していると思います。
さて、お子さんでもいい、生徒さんでもいい、友人でもいい、
とにかく、周囲の人に「死にたい」と相談されたら、
どう答えるでしょう?
一般的な答えと、それが自殺を予防する言葉ではないことを、
列挙していきます。
それぞれの応答に対するコメントは、
「死にたい」と言った人の心の中の声です。
(1)馬鹿なことを考えるな
・・・どうせ馬鹿だもん
(2)早まったことをするな
・・・遅いくらいだと思う
(3)生きていればいいことがある
・・・そう思えるくらいなら死のうとは思いません
(4)本当に死にたい奴はそんなことを言わない
・・・俺を受け入れてくれる人は居ないんだ
(5)もっと図太くなろうよ
・・・なれたら苦労しません
(6)そんなことしたら迷惑かけるよ
・・・今まで迷惑掛けられてきたんだし、最後ぐらい許してよ
それに対して新潟青陵大学の碓井真史氏が書いているのは、
次の言葉です
「あなたが死んだら私は悲しい」
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これは上に書いた6つの応答よりもいいものです。
ある程度、思いとどまらせる力があります。
でも、ただ「悲しい」と言われても、
その人にも生活がありますから、
自分を守って貰える人ではありません。
自分が損しても守ってあげるという人は少ないでしょう。
昨年連載が終了した、漫画「総務部総務課 山口六平太」には、
就職の面接中に、面接室の窓の向こうに、
自殺しようとしている友人を見つけ、
面接の途中で面接室を飛び出していくというシーンがあります。
(第1集第7話「面接試験」)
自分の就職を棒に振るかもしれない選択をしたのですが、
そういう選択をするひとがどれだけいるでしょう。
「悲しい」と言って、言いっ放しだとしたら、
死にたくなった人は、余計に孤独感を味わいます。
いじめられている友人に「自分は味方だ」と伝えたとしても、
その人間がいじめっ子に対して何もできないのでは、
言葉が上滑りになります。
そのあたりも、自殺対策の難しさを表しています。