自殺対策の難しさは、

対策を考える人が「自殺したいと思ったことがない」ということも、

大いに関係していると思います。

 

さて、お子さんでもいい、生徒さんでもいい、友人でもいい、

とにかく、周囲の人に「死にたい」と相談されたら、

どう答えるでしょう?

一般的な答えと、それが自殺を予防する言葉ではないことを、

列挙していきます。

それぞれの応答に対するコメントは、

「死にたい」と言った人の心の中の声です。

 

(1)馬鹿なことを考えるな 
   ・・・どうせ馬鹿だもん 
(2)早まったことをするな 
   ・・・遅いくらいだと思う 
(3)生きていればいいことがある 
   ・・・そう思えるくらいなら死のうとは思いません 
(4)本当に死にたい奴はそんなことを言わない 
   ・・・俺を受け入れてくれる人は居ないんだ

(5)もっと図太くなろうよ 
   ・・・なれたら苦労しません 
(6)そんなことしたら迷惑かけるよ 
   ・・・今まで迷惑掛けられてきたんだし、最後ぐらい許してよ 

それに対して新潟青陵大学の碓井真史氏が書いているのは、

次の言葉です 

「あなたが死んだら私は悲しい」 

http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/news/jisatu/2003/soudan1.html 

これは上に書いた6つの応答よりもいいものです。

ある程度、思いとどまらせる力があります。
でも、ただ「悲しい」と言われても、

その人にも生活がありますから、 
自分を守って貰える人ではありません。 
自分が損しても守ってあげるという人は少ないでしょう。

昨年連載が終了した、漫画「総務部総務課 山口六平太」には、 
就職の面接中に、面接室の窓の向こうに、

自殺しようとしている友人を見つけ、 
面接の途中で面接室を飛び出していくというシーンがあります。 
(第1集第7話「面接試験」)

自分の就職を棒に振るかもしれない選択をしたのですが、 
そういう選択をするひとがどれだけいるでしょう。 

 

「悲しい」と言って、言いっ放しだとしたら、

死にたくなった人は、余計に孤独感を味わいます。

 

いじめられている友人に「自分は味方だ」と伝えたとしても、

その人間がいじめっ子に対して何もできないのでは、

言葉が上滑りになります。

 

そのあたりも、自殺対策の難しさを表しています。