ブルーバレンタインという映画をご存知だろうか

バイト先の店長に勧められて見た映画なんだが

とても素晴らしい映画だった


こんなに楽しませてもらって100円レンタルなんだから

TSUTAYAには
おちんちんはむけても
足を向けては眠れないや


そんなことを考えながら

DVDを返しに行っていた道中に

事件は起きてしまった



向かい側から

男が歩いてきた


男は
明らかに他とは違う
眩しいくらいに華やかな空気を放っていた

多摩川からの冷たい風で
凍てつくような寒さというのに

男は
薄いブルーのシャツに真っ赤なベストを羽織っているだけ

細身のパンツ(ズボン)に
クラークスのブーツ

伊達眼鏡に満面の笑みを浮かべ

iPhoneで楽しそうに会話しながら
さっそうと歩いている


華やかさに圧倒され

思わず
道を開けた



自分がみすぼらしく思えて
情けなかった





すれ違い樣


ハッとした






相方だった





俺達は

何も言葉を交わさなかった



俺に気付いたのか否かは分からない




目に映らなかったのかもしれない



それもそのはずだ



俺は一般人で





相方は明らかに








芸能人だった









俺は
TSUTAYAへ向かう足を速めた



エッチなビデオをしこたま借りて


相方に芽生えた殺意を


なんとか抑えようとした




江口
































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