よみうり大手町ホール開場10周年記念舞台「罠」を観てきました。
この舞台は上川隆也さんが出演していたのでチケットを取りました。
そして、共演の藤原紀香さんの出演舞台を観るのは初めてだと思います。
雨の中、読売新聞本社ビルに到着すると所狭しと胡蝶蘭の鉢植えが並んでいて、さすが「開場10周年記念」と思ったら4年ぶりに優勝した巨人へのお祝い花だったようです。
新婚3ケ月のエリザベートとダニエル(渡辺大)。
しかしバカンスで訪れた山荘でエリザベートが行方不明になってしまいます。
妻の身を案じるダニエルはカンタン警部(上川隆也)に捜査を依頼しますが望む情報を得ることは出来ません。
そこへ、エリザベートを伴って神父(財木琢磨)がやってきます。
彼は彼女はダニエルの気持ちを考えて素直に戻ることが出来ずに神父に相談したのだと言うのですが、彼に呼ばれて部屋に入って来た女性(藤原紀香)は全くの別人。
ダニエルはその女性が妻ではないと主張するのですが、逆に精神が不安定で妻の事もわからなくなってしまったと思われてしまいます。
何とか自分が正しいことを証明しようとしますが、ふたりだけが知っている質問を彼女にぶつけても平然と正しい答えが返ってきます。
彼の唯一の味方はカンタン警部。
しかし、真実はなかなか明らかになりません。
本当のエリザベートを知っていて証人になるはずの画家(藤本隆宏)は相手の手にかかってしまい、警部が見つけてきた看護師(凰稀かなめ)は買収されて嘘の証言を行う。
いよいよ八方塞がりとなり、精神的にも追い詰められていくダニエル。
大きな遺産を巡り、妻の名を語る女や神父の裏には大きな組織が控えているのか?
物語が進むにつれて、明らかに紀香さん演じる偽の妻と神父が怪しくなってくるのですが、ついにはダニエルは彼女たちによって入院させられそうになります。
出演者に関しては、「やっぱり上川さんスゴイな」と思いました。
素人ながら上川さんのセリフの強さは確実に伝わって来ますし、恵まれなかった後方席でもしっかりと聞き取ることが出来ました。
それに、何と言ってもカッコいい!
初めて観た紀香さんは、「えっ!悪役なの!?」と思いましたが、神父役の財木さんと伴に物語にサスペンス風味と緊迫感を与えていたと思います。
そして、出演シーンは多くありませんが看護師役の凰稀さんの立ち姿がきれいだなと思ったので帰って来て検索してみたら宝塚トップスターの女優さんでした。
まだ開演早々でネタバレできないので詳しく書けませんが、最後に警部がある提案を行います。
そこでも一波乱あり、タイトル「罠」の意味がわかるラストシーンが秀逸!
終演後に「どうやって終わるんだろうと思ったけど、予想つかなかった」と話していた人がいましたが、ラストで一瞬にして視点がガラッと変わります。
誰が語っていることが真実なのかと推理・推測しながら観ていると、作者の罠にまんまと嵌ってしまうのかもしれません。