全日本フィギュアスケート選手権大会
女子シングル
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金メダル 坂本花織選手
銀メダル 紀平梨花選手
銅メダル 宮原知子選手
本当におめでとうございます！！
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かおちゃんのピアノレッスン、今までで1番でした。
アメリを見てから、リショーさんとの相性は抜群！！！と思ってきたけれど、
ますますそう思いました。
かおちゃんの課題である腕の表現を、リショーさんは少し前衛的な振付で、
最も美しく見せてくれる。かおちゃんの力と美しさを引き出してくれる。
そして、かおちゃんにはその振り付けを、前衛的すぎないように柔らかさで包む力がある。
SPとFSを揃えることの大切さ、レベルを揃えること、URのつかないジャンプ。
それらの大切さも感じましたが、その演技。
始まる瞬間の静寂の、目を伏せた表情から引き込まれました。
そして、きっと最もかおちゃんのスケートに惹かれる理由である、
伸びるスケート、ダイナミックさ、スピードと躍動感！
これぞフィギュアスケートの醍醐味ともいうべき疾走感。
それらがピアノの弾むような音にも、流れるような音にも、
重みのある音にも軽やかな音にも融合して、その全てを包む
かおちゃんのおおらかさが、見ている私達をどこかへ連れて行ってくれた！
潮の香りと、美しい調べと、
力強く迷いのないかおちゃんの操るエッジの、素晴らしい共演でした。
ファイナルの後、リショーさんと、全日本に向けてブラッシュアップしたのがよくわかる
上半身と両腕の表現の素晴らしさ、緩急の絶妙さでした。
3Lzの後のFSSpでピアノの音をひろう…一瞬ピアノが途切れ、
カモメの鳴く入り江に、大きく寄せては返す波の音を全身で奏で
背を見せた刹那、再び始まったピアノに合わせてリズミカルにターンをつないで行く。
この時の遠心力を味方につけた細かいターンの切り替え、
ファイナルの演技よりも、よりスピードの緩急が付いていて
その後のポージングを引き立てていました。
StSq。
奥から手前へと大きくスピーディに移動するかおちゃんのダイナミックで
明確なエッジワークが、大きな波の起こす緩急のイメージと重なって打ち寄せてきて、
こちらの心を打ちました。
CCoSpからのクライマックス、3連続のスパイラルからの、突然のくるくるループは
何度も言っていますが本当に大好き。
かおちゃんの美しさとスケーティングに心掻き立てられ鳥肌です。
梨花ちゃんの音をひろう才能、音楽と一体化したようなスケーティングも素晴らしかった！
この流れるような、音の途切れることのない曲の、音の多さ！！
その全てを、音の高低差までも、顔の付け方、視線、指先、膝の柔らかさ、
その稀有な身体能力の全てを使って表現しようとする梨花ちゃんの感受性！！！
まだ何者でもない、渦巻く大気の中に光る稲光り…
そこから弾けた出た火花の一粒、激しい雨の一粒さえすくい上げるかのような演技は
視覚と聴覚だけではない、本能的な感覚が呼び覚まされるよう。
そしてさっとんの濃密な演技。
人の心が表面化されてしまうこの競技で、ここまで、どこまでも清らかで淀みのない姿を
見せてくれる人がいるのかなと、演技を見るたびに思います。
「情熱的に、進化を求めたチャレンジのプログラム」
この言葉はさっとんが言った言葉なのかもしれないけれど、1人の女性の生き様を
描いたかのようなこのプログラムは、きっとさっとんだからこそものにできた。
大声で叫ぶような伝え方はしないけれど、これまでのスケート人生で様々な事を感じ、
様々な試練を乗り越えてきたさっとんだからこそ、このプログラムの中に住む女性の、
リンクの上での人生に魂をこめることが出来る。そう思ってディクソンさんは、
このプログラムをさっとんに授けたのかもしれないと思いながら見ています。
「Invierno porteno」と「beautiful storm」は、巨視的な視点を外して見ると、
1人の女性がもがきつつ懸命に生きる姿、激しい情熱の奥に宿る生命力には、
自然や生命の創生と何ら変わらない素晴らしさがあると教えてくれているように感じます。
ただミクロとマクロの視点の違いがあるだけで。
20歳のさっとんの経験あってこそ表現し尽くせる「Invierno porteno」であり
16歳の梨花ちゃんの感性だからこそ滑りこなせる「beautiful storm」なのだろうな。
遠いようで隣り合う、ディクソンさんの生んだ2つの傑作プログラムを堪能できて、幸せでした！
かおちゃん、梨花ちゃん、さっとん、あらためておめでとう！
本当に素晴らしい試合だったと思います。
他にも素晴らしい演技が沢山ありました。
選手の皆さん、本当にありがとうございました！
ここまで長々と読んでいただきありがとうございました。