今回は、サービス残業代請求に関する判例を紹介します(つづき)。
(3)地位に相応した処遇
ア 原告に支給された歩合給の額は,各月の売上げによって左右されるところ,平成17年8月分は13万0562円,同年9月分は28万8612円,同年10月分は12万5958円,同年11月分は12万1198円,同年12月分は19万5045円,平成18年1月分は7万8991円,同年2月分は12万2680円,3月分は20万4399円,同年4月分は12万7223円,同年7月分は9万6043円,同年8月分は6万1444円である(〈証拠略〉)。
イ 被告は,原告に対し,基本給及び歩合給のほかに,職務手当2万円,家族手当4万円の月額合計6万円を支給していた。職務手当の支給は副店長に就任した後であった。
一方,被告は,店長であるBに対し,基本給及び歩合給のほかに,役職手当3万円を支給していたが,子がいないことを理由に家族手当を支給していなかった。
なお,職務手当については,アシスタントリーダー(1万円ないし1万5000円),経理担当者も支給を受けていた。
ウ 被告は,原告が,顧客の要望により開店時間前にサービスを提供する場合(早出残業),顧客から,通常の料金とは別に早出代として500円又は1000円程度を受領することを容認していた(〈証拠略〉,被告代表者)。
(4)自らの労働時間について裁量(出退勤時刻の自由度)
ア 美容室は,予約によってサービスを提供することが原則であることから,顧客の都合によりサービスの提供時間が決定され,店舗の営業時間外にサービスを提供することもある。各スタイリストは,顧客との間でサービスの内容と時間を決定し,予約時間を設定している。
このことは,被告においても同様であり,「美容室バズ」自由が丘店では閉店時間と予約の最終受付時間が定められていたが,原告を含めた各スタイリストは,予約の最終受付や閉店時間を超えている場合であっても,自己を指名する顧客からの依頼があれば,自らの指名客獲得を目的として,個別の判断に基づきサービスを行っていた。
イ 被告においては,被告代表者以外,原告やBを含め,出社時には,タイムカードに刻印をしていた(証人A)。
そして,原告は,タイムカードに記録された出社時刻に従い,店のパソコン上で,勤怠実績一覧表(〈証拠略〉)を作成した。
なお,被告においては,遅刻罰金制度があり,Bも罰金を支払ったことがあった(原告)が,原告は遅刻をしなかったため罰金を支払ったことがなかった。
2 以上の認定事実をふまえて判断する。
(1)争点(1)について
ア 原告が担当した業務内容はスタイリストとしては一般的なものであるほか,予約なしに来店するいわゆる飛び込み(フリー)の顧客について対応していたところ,支給を受けた歩合給の額と支払基準に照らせば,相当数の指名客の予約を取っていたものと推認できる。そして,原告は,顧客の都合でサービスの内容と時間を決定することができ,サービスの内容によっては,複数の顧客に対し同時並行的に対応することもできたのである。
そうすると,原告は自らの業務内容について,その内容及び時間を決定する上で裁量があったものと認められる。
イ 原告は,「美容室バズ」自由が丘店の副店長兼トップスタイリストとして,被告代表者,店長に継ぐ地位にあり,店舗経営(サロンワーク)に関しては,被告代表者とともに中心的な役割を担っていたといえる。
しかしながら,原告は,被告代表者と同様には,新人採用やアシスタントをスタイリストへ昇格させる権限はなく,アシスタントリーダーも参加するトップミーティングで意見を言う程度であって,副店長として,経営上,人事上,格別の権限を有して関与していたわけではない。
また,原告は遅番の終礼の担当者ではあったものの,閉店の際の施錠についての責任者ではなく,被告の売上げの集計もレジ担当者が行っていたのであるから,施設管理,会計上の特別の責任を負っていたわけでもない。
さらに,従業員を早番,遅番のどちらに振り分けるかについては,被告代表者が決め,アシスタントの休憩の取らせかたも,被告代表者が在店時には主として被告代表者が指示していたのであって,原告が指示していたのは自分と一緒に働くアシスタントに対してのみであった。
したがって,原告は,被告の経営,人事,労務管理等において,副店長としてある程度関与していたといえるけれども,その関与の程度は限定的であったというほかない。
企業の方で、残業代請求についてご不明な点があれば、顧問弁護士にご相談ください。顧問弁護士を検討中の企業の方は、弁護士によって顧問弁護士料やサービス内容が異なりますので、比較することをお勧めします。その他にも、個人の方で、交通事故の示談交渉、解雇、敷金返還・原状回復義務や借金の返済、刑事事件、遺言や相続などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。
(3)地位に相応した処遇
ア 原告に支給された歩合給の額は,各月の売上げによって左右されるところ,平成17年8月分は13万0562円,同年9月分は28万8612円,同年10月分は12万5958円,同年11月分は12万1198円,同年12月分は19万5045円,平成18年1月分は7万8991円,同年2月分は12万2680円,3月分は20万4399円,同年4月分は12万7223円,同年7月分は9万6043円,同年8月分は6万1444円である(〈証拠略〉)。
イ 被告は,原告に対し,基本給及び歩合給のほかに,職務手当2万円,家族手当4万円の月額合計6万円を支給していた。職務手当の支給は副店長に就任した後であった。
一方,被告は,店長であるBに対し,基本給及び歩合給のほかに,役職手当3万円を支給していたが,子がいないことを理由に家族手当を支給していなかった。
なお,職務手当については,アシスタントリーダー(1万円ないし1万5000円),経理担当者も支給を受けていた。
ウ 被告は,原告が,顧客の要望により開店時間前にサービスを提供する場合(早出残業),顧客から,通常の料金とは別に早出代として500円又は1000円程度を受領することを容認していた(〈証拠略〉,被告代表者)。
(4)自らの労働時間について裁量(出退勤時刻の自由度)
ア 美容室は,予約によってサービスを提供することが原則であることから,顧客の都合によりサービスの提供時間が決定され,店舗の営業時間外にサービスを提供することもある。各スタイリストは,顧客との間でサービスの内容と時間を決定し,予約時間を設定している。
このことは,被告においても同様であり,「美容室バズ」自由が丘店では閉店時間と予約の最終受付時間が定められていたが,原告を含めた各スタイリストは,予約の最終受付や閉店時間を超えている場合であっても,自己を指名する顧客からの依頼があれば,自らの指名客獲得を目的として,個別の判断に基づきサービスを行っていた。
イ 被告においては,被告代表者以外,原告やBを含め,出社時には,タイムカードに刻印をしていた(証人A)。
そして,原告は,タイムカードに記録された出社時刻に従い,店のパソコン上で,勤怠実績一覧表(〈証拠略〉)を作成した。
なお,被告においては,遅刻罰金制度があり,Bも罰金を支払ったことがあった(原告)が,原告は遅刻をしなかったため罰金を支払ったことがなかった。
2 以上の認定事実をふまえて判断する。
(1)争点(1)について
ア 原告が担当した業務内容はスタイリストとしては一般的なものであるほか,予約なしに来店するいわゆる飛び込み(フリー)の顧客について対応していたところ,支給を受けた歩合給の額と支払基準に照らせば,相当数の指名客の予約を取っていたものと推認できる。そして,原告は,顧客の都合でサービスの内容と時間を決定することができ,サービスの内容によっては,複数の顧客に対し同時並行的に対応することもできたのである。
そうすると,原告は自らの業務内容について,その内容及び時間を決定する上で裁量があったものと認められる。
イ 原告は,「美容室バズ」自由が丘店の副店長兼トップスタイリストとして,被告代表者,店長に継ぐ地位にあり,店舗経営(サロンワーク)に関しては,被告代表者とともに中心的な役割を担っていたといえる。
しかしながら,原告は,被告代表者と同様には,新人採用やアシスタントをスタイリストへ昇格させる権限はなく,アシスタントリーダーも参加するトップミーティングで意見を言う程度であって,副店長として,経営上,人事上,格別の権限を有して関与していたわけではない。
また,原告は遅番の終礼の担当者ではあったものの,閉店の際の施錠についての責任者ではなく,被告の売上げの集計もレジ担当者が行っていたのであるから,施設管理,会計上の特別の責任を負っていたわけでもない。
さらに,従業員を早番,遅番のどちらに振り分けるかについては,被告代表者が決め,アシスタントの休憩の取らせかたも,被告代表者が在店時には主として被告代表者が指示していたのであって,原告が指示していたのは自分と一緒に働くアシスタントに対してのみであった。
したがって,原告は,被告の経営,人事,労務管理等において,副店長としてある程度関与していたといえるけれども,その関与の程度は限定的であったというほかない。
企業の方で、残業代請求についてご不明な点があれば、顧問弁護士にご相談ください。顧問弁護士を検討中の企業の方は、弁護士によって顧問弁護士料やサービス内容が異なりますので、比較することをお勧めします。その他にも、個人の方で、交通事故の示談交渉、解雇、敷金返還・原状回復義務や借金の返済、刑事事件、遺言や相続などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。