第2 事案の概要
本件は,原告が,被告に対し,労働基準法37条に基づき,平成16年8月13日から平成18年8月12日までの2年間の時間外手当(残業代)合計278万4705円及びこれに対する各支払期日より後の日である同年12月30日から支払済みに至るまで賃金の支払の確保に関する法律所定の年14.6パーセントの割合による遅延損害金の支払並びに労働基準法114条に基づき,平成17年9月10日から平成18年8月12日までの時間外手当(残業代)に相当する額の付加金149万9138円及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みに至るまで民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
1 前提となる事実(認定に用いた証拠は各項の末尾に記載した。証拠の記載がない部分は当事者間に争いがない。)
(1)当事者
ア 原告は,昭和47年○月○日生まれの男性である。
(弁論の全趣旨)
イ 被告は,平成12年に設立された美容室の営業等を業とする有限会社である。
被告の経営する「美容室バズ」自由が丘店の営業時間は,午前10時から午後10時まで(受付は午後8時まで)であり,毎週火曜日が定休日であった。
(〈証拠略〉,被告代表者。一部当事者間に争いがない。)
(2)被告の従業員の就労条件
ア 被告における従業員の所定就労時間は,午前9時20分から午後9時まで(早出)又は午前10時20分から午後10時まで(遅出)のいずれかである(休憩時間は1時間である。)。
また,被告における従業員の休日は,勤務店舗の定休日のほか週1日である。
(〈証拠略〉,被告代表者。弁論の全趣旨。一部当事者間に争いがない。)
イ 被告における従業員の給与は,基本給のほか,歩合給(給与支払明細書上は「歩合手当」と記載されている。担当した顧客の数に応じて支給される。),店販手当(店内で顧客に物品を販売した額に応じて支給される。),職務手当,家族手当,通勤手当で構成される。
これらの賃金支払の基準は,別紙1のとおりであり,アシスタント(その能力とは無関係に単純労務に服する者をいう。)は基本給のみであるが,それ以外の職位にある者は基本給のほか,売上げに応じた歩合給が支払われることになっており,スタイリスト(専門職として自らの個性,能力を活かし,顧客にサービスを提供する者をいう。),トップスタイリスト(専属のアシスタントを有するスタイリストをいう。),ディレクターの順で,賃金全額に対する歩合給の比率が大きくなっている。
なお,被告は,これまで,従業員に対し,時間外手当(残業代)を支払ったことがない。
(〈証拠略〉,原告,被告代表者。一部当事者間に争いがない。)
なお、企業の担当者で、残業代請求についてご相談があれば、顧問弁護士にご確認ください。そのほか、個人の方で、不当解雇、保険会社との交通事故の示談交渉、刑事事件や多重債務(借金)の返済、遺言・相続の問題、オフィスや店舗の敷金返還(原状回復)などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。