さて、日本の位置はよく気にしていないアメリカ人ですが、日本の食べ物や文化、最新技術は好きなわけです。
寿司、天ぷら、そば、はどこに行ってもとても人気がありましたし、カルチャーフェアで作ったお好み焼きも好評でした。着物や浴衣も好きですし、日本語を学んでいる学生は、アニメ・漫画で日本のことに興味を持った、という人が多かったです。
SONY、TOYOTA、HONDA、Kawasaki、YAMAHAなど技術の良い製品は、みんな欲しがります。そのような技術製品は、「日本」のメーカー・ブランドという意識はなく、国を越えてグローバルブランドとして受け入れられている印象を持ちました。
日本で生まれ育った私は、日本の文化や製品に当たり前に接してきました。それがアメリカに来て、アメリカ人や世界中から来ている留学生から、日本に対する評価や印象を改めて聞き、「日本ってやはりすごいな、いいものをたくさんもってる！」と再認識するわけです。これは、ずっと日本に暮らしていたら、味わえない感覚でした。日本人であることを誇りに思う瞬間でした。
同時に、高校時代から意識が海外へ向いていた私は、心のどこかで「早く日本を出てみたい」という気持ちがありました。が、逆に意識が内側（母国）へも向いてきたのです。もっときちんと外国の人々に日本のことを説明したい、正しく認識してほしい、日本の良いところを広めたい、という気持ちが芽生えてきたことを覚えています。
そして、日本語という言語は、外国人にすれば習得するのはとても難しく、英語をゼロから勉強する方が簡単、と聞きます。「英語をマスターしなければ！」と思っていた高校時代の私は、当時帰国子女の友達に「世界中の人とコミュニケーションするには、英語が母国語がよかった〜！」とぼやいたら、「どうして？逆に日本語が母国語でよかったよ。英語より日本語の方が難しいから。」とさらっと言われ、目から鱗、それは衝撃の回答だったのでした。
恵まれた素晴らしい国に住んでいながら、それがすっかり当たり前になっていた私は、日本人として日本に生まれた幸運を、改めて感謝したのでした。