コーナリングスピード重視型 vs 立ち上がり重視型 ~前編~
コーナリングスピード重視型 vs 立ち上がり重視型 ~後編~
の続き、というかこれを最初に持ってきた方がよかったかも。
体で覚えてしまうことなのですが、イメージしやすいようにグラフ化。どちらも同じバイクとします。
クリップ以降を考えて縦軸(x軸)が速度、横軸(y軸)が時間。(A)が始めから全開の立ち上がり重視。
初速(最低速)は遅いけど始めから加速体勢。(B)がしばらくパーシャルの後に全開のコーナリング型。
後編
と同じく簡単なモデルで考えます。速さ×時間=距離なので、赤いラインまで時間が経った時に
進んだ距離は灰色の面積になります。どっちの面積が大きいか?で勝負が決まります。
二つのグラフを重ねてみます。
赤いラインの時間まで経った時、ピンクの立ち上がり重視も青のコーナリング重視もグレーの部分は
共通です。緑の部分は青の方だけ、黄色い部分はピンクの方だけに含まれています。なので緑と黄色
の面積を比較して緑が大きければコーナリング重視の勝ち、黄色の面積が大きければ立ち上がり重視
の勝ちとなります。この重なり方が基本形、戦いになるパターン。
緑の面積は一定時間を越えてしまうと時間がいくら経っても増えません。黄色の面積は時間が経てば
経つほど増えていきます。ですから最高速も時間も無限(立ち上がった後に十分長いストレートがある)
とすると、いつかは立ち上がり重視が勝ちます。そうなる前に次のコーナーがきてしまえばコーナリング
重視の勝ちとなります。
進入から考えた場合はx軸中心に対称移動したグラフを変形して足したものとなります。傾きや
タイミングは変わりますが、立ち上がり重視から見た場合まずブレーキングで詰めて(黄色い面積が
増えて)コーナリングで離されて(緑の面積が増えて)立ち上がりで詰める(黄色い面積が増える)ことに
なります。本質は変わらないのでグラフを半分に切ったクリップ以降を考えます。
立ち上がり重視がアクセルを開けるのがあまりに早かったり、コーナリング重視が寝かせてるだけで
アクセルを開けるのがあまりに遅かったりすると、立ち上がり重視が勝つこの形。時間が少し経った
だけで、あっというまに黄色い面積が増えていきます。戦いにならないパターン。
コーナリング重視の最低速があまりに速かったりすると、コーナリング重視が勝つこの形。時間がいくら
経っても緑の面積が増えるだけ。立ち上がり重視が離される一方です。これも戦いにならないパターン。
(F)も(G)も最低速とアクセルを開けるタイミングは全く同じグラフ。傾き(=パワー)だけが違います。
(F)が大排気量、パワーがあるのでスピードがどんどん上がります。緑が小さく、時間が経つと黄色が
グラフ枠外にハミ出して増えます。立ち上がり重視が有利。(G)が小排気量の場合、パワーが無いので
中々スピードが上がりません。緑が大きく、時間が経っても中々黄色が増えません。コーナリング重視
が有利。大排気量は立ち上がり重視、小排気量はコーナリング重視という定説そのまま。
どっちが良いかは一概には言えない。自分がどの形で、どこが足りないか?どこを上乗せしたいか?
どこが伸び代ありそうか?相手がいるなら相手と比べて何が足りないか?ということに。走り込みながら
配分バランスを調整しつつ、乗り方で配分できる総量を増やしていけたらいいと思う。
※立ち上がり重視とコーナリング重視の軌道の差を考慮すると緑の部分から一定の面積を引くことに
なりますが、引いても引かなくても(同じ軌道だとしても)話の内容は変わらないので同じ軌道として
話を進めました。