貯蓄税 | 職業としての相場

貯蓄税

至極マトモナ意見ではあるのですが、マトモスギテ取り上げにくいということでしょう。

但し、デノミネーションをからませれば、合法的に実行することは可能です。

旧札から新札に切り替えて、切り替えの際には貯蓄税払わないと切り替え不能、なんていうドサクサまぎれの導入っていうのが効果的かもしれない。

多分これくらいのことは財務省の役人はとっくに考えている↓


「危機は循環する」 財政破綻の回避へ「貯蓄税」提言 白川浩道著

次々に襲い来るグローバルな危機を論じ、日本経済の立て直しを提案するが、注目すべきは財政と税に関する部分だ。消費低迷とデフレが長引けば、財政が破綻する可能性は高まる。名目成長率の趨勢がゼロ%ならば、政府債務の対国内総生産(GDP)での爆発を防ぐには、30%強の消費税が必要と本書はいう。政策当局は思い切った発想で、消費刺激を模索しなければならない。それが家計貯蓄の過剰部分に課税し、貯蓄を消費に回すよう促す「貯蓄税」であると主張する。課税対象は預貯金と国債。直接、間接に政府が元本を保証している預貯金や国債は、デフレになった分だけ元本の実質価値が増しているとの考えからだ。本書は1世帯当たり2000万円を超える預貯金と国債保有を貯蓄超過部分と定義し、課税対象の金額と世帯を推計する。試算では、昨年末で200兆円が課税対象。金融資産の保有は一部の高貯蓄家計に偏っているので、税の負担義務が生じるのは全世帯の11%だ。実効税率は物価下落率とする。 富裕層を狙い撃ちにした課税との批判もあり得るが、本書はデフレ対策としての効用を強調する。預金などで資産を寝かせておく人には、税を課して名目価値を年々目減りさせる。安全資産保有の動機づけを減らす一方で、消費を後押しする仕掛けといえる。いまひとつの狙いは、高齢の高貯蓄世帯から、貯蓄の少ない若年者への貯蓄移転である。富裕高齢者から社会保障制度を維持する財源を得ると考えれば、世代内での貯蓄移転とみることもできる。日本のような成熟経済では、金融資産などストックは所得や消費などフローを大きく上回る。所得税、法人税、消費税などは、フローへの課税なので、デフレ不況の下では増税に限度がある。従って、財政破綻の回避にはストック課税が重要な意味を持つ。問題は街行く人々が金利をどうしても名目値で考えがちな点にある。長引く低金利に対して、特に高齢者は強い被害者意識を抱いている。経済学上は合理的でも世論の説得はとても難しい。ここに貯蓄税という名の、一種のマイナス金利政策の壁がある。(編集委員 滝田洋一)[日本経済新聞朝刊2011年9月11日付]