日本のシャープペンシルの歴史(12) | Vintage Mechanical Pencil(シャープペンシル)の魅力

Vintage Mechanical Pencil(シャープペンシル)の魅力

シャープペンシルのコレクターです。味わい深いビンテージペンシルの魅力を感じてください。

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前回に引き続いて「日本文具新聞」に掲載されていた広告を紹介します。

 

 

今回は1919年(大正8年)7月に掲載されていた
【早川兄弟商会金属文具製作所】の広告です。
以前も紹介したとおり、現シャープ株式会社のことです。

 

 

 

この広告を見ると、1918年の広告とかなり異なっていることがわかります。
まず、社名に”金属文具製作所”と表記されるようになりました。
1年して文具をメインで行っていこうという会社の方向性を定めたように感じられます。
また、”福井商店”が関西発売元として商品を扱うようになったことがわかります。
この”福井商店”は、現在の”株式会社ライオン事務器”のことで、
戦前戦後と関西の文房具卸売商として大きな会社だったようです。

 

 

 

そして、繰出鉛筆のラインナップが格段に増えていることがわかります。
”エバポイントペンシル”、”エバーレディプロペリングペンシル”、
”マリヤクラッチペンシル”、プラクチカルペンシル”とペンシルだけでも4種類あることがわかります。
残念ながら各種どのようなペンシルかははっきりとは分かっていません。

 

 

 

ここで、この広告から一つの疑問点が挙げられます。
1919年(大正8年)7月に掲載されたこの広告には、まだ【シャープ】という文字は一言も出ていません。
”金属繰出鉛筆”とか、プロぺリングペンシル”とかは表記されていますが、
”シャープペンシル”とは書いてありません。
通説では1916年に、「エバー・レディ・シャープ・ペンシル」と命名したと言われていますが、
この広告では【シャープ】の部分が、【プロぺリング】という言葉になっています。
3年も前にシャープペンシルと命名していたのであれば、今回の広告もしくは前回紹介した広告
”シャープ”と表記されていても良いのではないかと思います。
この年代のズレはどうして起こったのでしょうか?
謎は深まるばかりです。