歪みの国のアリスパロ


片手に猫の首を抱え、もう片方の手で猫の手をとって歩く。
猫の表情は見えないが、きっとまたニヤニヤと笑っているんだろう。

女王様の放ったカマイタチの術で、猫の首が宙を舞った時は心臓が止まるかと思った。
それでも体と首は別々に活動できるらしく(この時点で原理が謎すぎる)、焦って謝った女王も最後には笑顔で僕らを送り出した。


次々と運ばれてくる料理を食べ続ける公爵夫人。大食いなのに全然太ってないのは何故だろう。胸に栄養が行ってるんだろうか←少しでも運ぶのが遅いと、怪力でテーブルを壊しそうになっていた。
向かいの椅子に座っていた公爵がゲッソリした顔で、夫人を見ていた。
料理を次々と運ぶウェイター達は、公爵の口寄せのカエルらしい。

下のパン屋では、ペインたちが戦争を始めそうになっていた。とりあえず水をぶっかけて全部ダメにしてやった。
ウカレウサギの飛段にはね飛ばされて、廃棄されそうになってたジャムパンは、「芸術は爆発だー」なんて言いながら、夫人の胃袋へと消えていった。

パンとシチューをすすめてきたトカゲのビル、もといヘビの大蛇丸。
「それにどんな薬物が入ってるんですか」とか、「呪印と人体実験の間違いじゃないですか」なんてツッコミは、まさに蛇に睨まれたカエル状態の僕には言えなかった。

何故かお茶会でラーメンをすする帽子屋。「遅いってばよ!!」なんて怒られた。

隣で眠っていたネズミは「めんどくせぇ…」なんて寝言を言ってたっけ。

全身タイツの芋虫…無駄に動きが早くて(ほふく前進なのに!)、これはこれで怖い。

薔薇は何故か折り紙で出来てて、棘を考えるより、まず紙そのものが切れやすそうで近寄れなかった。
最後に城から連れてきたネジを投げたら、そっちに夢中になって通してくれたけど。


色んなことを思い出しながら、あったかい猫の首を抱く。
そうすると後ろの体が動いて、いつの間にかすっぽりと包まれていた。

どこに行くにも猫がいっしょにいてくれたんだ。
そしてどこにいても、僕にこの言葉をくれる。




「おかえり、オレの如月」




END

概要を入れてみる。
誰がどのキャラか何となくわかるようにしてみたけど、どうかなこれは。
今度は一つ一つの出来事を細かく書いてみたいけど、ゲームをもう一回ダウンロードしてプレイするのは大変だな。…サイドストーリーとかにしようかな。