長く訪問看護をやってるといろんなお家の、

いろんなところが見えてきます。


利用者を取り巻く一つ一つが環境で、利用者の健康状態に影響を及ぼしたりします。

もちろん、私たち看護師や、他のサービス事業者なども、環境の一つ。


利用者が安全安楽に過ごせるような環境の一部として振る舞う必要があると思ってます。


ペットも然り。


最近はペットを飼うお家が増えて、

訪問先でも、ワンコやニャンコがいるお家が増えました。


動物大好きなエールのナース。


ワンコだと一際テンションが上がります。



あるお宅に、本当に人懐っこくて、可愛いチワプーちゃんがいました。


利用者さん、ご家族さんもとてもいいお家で、

さらにワンコもいるとなれば、訪問もことさら楽しくなります。


利用者さん(おばあちゃん)が大好きで、いつもおばあちゃんのお布団の上にちょこんと座り、私たちのケアの邪魔…いやいや、見守りをしてくれます。


私たちの訪問車の止まる音がしたら、もう玄関先でお出迎えの準備をしてくれて、挨拶してくれます。


自分のお気に入りのおもちゃボールを持ってきて、「投げて❣️あそぼ(^^)」と言わんばかりに尻尾をフリフリ。

ケアの合間に「しゃーないなぁ🥰」と言いながらも嬉しそうにボールを投げると、一目散に走ってボールをとってきては、また、持ってくる…。

撫でて〜と言わんばかりに、ちょいちょいと看護師の手を触りに来る。

もう〜🥰なんて言いながら、なでなでしたり。

そんなことをしながら利用者さんのケアをしていました。


いやいや、ちゃんとケアしてましたよ!


彼女(メスだったの)がいると本当に利用者さんもにこやかで、家族も「すみません〜」と言いつつも、みんな彼女に癒され、笑顔が絶えない訪問でした。

抱っこもたくさんさせてもらいました😍

本当、可愛いんですよ💕


そんな彼女が急に痙攣を起こしたというのです。


利用者さんの訪問の日の朝に、ステーションに電話があり、「急にワンコの彼女が、痙攣を起こして、夜中に大阪まで救急で行ったけど、まだ治らないから、今から病院に行くので、おばあちゃんの訪問の時間には戻ってこれないかもしれない、だから、お手伝いできないかもしれませんがいいですか?」とのこと。


利用者さんがお家にいて、ケアができるならいいですよと伝え、訪問に行きました。


利用者さんは、「ワンコの彼女、大丈夫かなぁ?」「早く帰ってこないかなぁ」とそればかり話します。

私も、ほんまやねぇ、さみしいねぇ…なんて言いながらケアしていました。


一通りケアが終わった頃、玄関が開く音がしたので、ご家族さんが帰ってきたとホッとし、

ワンコの彼女も戻ってきたんだと思っていました。


ご家族さんが、私を見るなり、


「ワンコの彼女、無言の帰宅をしました…」と、わぁ〜っと泣き出してしまわれました。


幸い、利用者さんは少しお耳が遠いので、あまり聞こえなかったかもしれません。

全く気付いておられませんでした。


まさか。

うそ〜?


先週末まで元気やったやん。


もう何が何だかわからん感じで。


見てやってくださいと、家族に言われ、

小さな、ブルーの箱に入れられた彼女を見て、

思わずボロボロと涙が落ちて、彼女に縋り付いて泣いてしまいました。家族さんと一緒に。


訪問看護師にあるまじき態度かもしれませんが、

自分もペットを飼っているので、なんだかそれとダブってしまい、また、去年亡くなった妹のこともなんだか同時に脳裏に浮かんで、どうしようもありませんでした。


家族さんにみっともないとこ見せてしまってすみませんと頭を下げて、

ワンコの彼女の頭を撫でながらことの経緯を聞いていました。

もう、病気に行く車の中で息を引き取っていたようですが、病院の先生は着くなり蘇生を頑張ってくれましたとのことでした。


利用者さんには、「まだワンコの彼女の温もりがあるうちに抱かせて、話します」と言われていました。


私は次の訪問があるので、挨拶をして帰りましたが、このことをスタッフにもどう伝えようかと、そればかり考えていました。


いやもちろん、次の方のケアも、その次の方のケアもしっかりしましたよ。


でも、訪問先での癒しだったワンコの彼女の突然の死は、利用者さん、家族さんだけでなく、サービスに入っていたすべての人に、大きな衝撃を与えました。


案の定スタッフもびっくりで、ほんとうにショックでした。


利用者さんの訪問は続きますが、ワンコの彼女にはもう会えません。


利用者さんが大好きだったワンコの彼女。

みんなに可愛がられたワンコの彼女。


利用者さんや家族さんにとって大きな喪失感が、これからどんな影響をあたえるのか。

それもしっかり支えていかないと…と思っていますが、当面は、看護師も喪失感に苛まれそうです。


🐶ワンコの彼女ちゃん、おつかれさん。

まだ4歳だったけど、あなたはあなたの人生(犬生?)の時間が4年ってことやっただけやね。

あなたに会えて、みんな笑顔やったし、癒されたよ〜

会えなくなったのは、とってもさみしいけど、

おばあちゃんを見守ってあげてな🐶

おやすみ。