女性誌を読んでいると、「セックスをすれば痩せられる!」という謳い文句を見かけることがある。これがもし本当なら、快楽を味わえて、スタイルもよくなるわけで一石二鳥なのだが、これは本当なのだろうか?

確かに性交 後に味わう疲労感は、普通の軽い運動などよりも強いものであるが、実はセックスで体はそれほど疲れていないのだ。疲れていると感じているのは、むしろ脳のほうなのである。動物は交尾のあと、受精を促進するためにできるだけ活発な運動を避けるほうが子孫の繁栄に有利である。そのため、体が動かないように、脳が全身に疲労感の信号を送るのである。もちろん、これは人間にもあてはまる。

よほど頑張っても、1回のセックスで消費されるエネルギーはせいぜい300キロカロリー程度が限界といわれる。通常の食事だったら1回分すらも消費できないエネルギー量である。さすがにセックスにダイエット効果があると結論づけるのは難しい。

ちなみに、「セックスで肌がきれいになる」という話もあるが、こちらは本当である。これは女性ホルモンが分泌され、ホルモンのバランスがよくなるためである。ただし、目に見えるほどの効果が現れるかは個人差がある。

やはりセックスは、愛の確認やストレスの軽減など精神状態をコントロールするほうに重要なのである。それ以上に、過度の美容効果を期待しても、それほど効果は望めない。