また質問があった。

 

「他国に行っている間の孝行はどうしたらいいでしょうか。」

 

それに答えて言った。

 

「道からは僅かな間でも離れてはならないと言います。離れてはならないというのが孝の基本です。離れてはならないというのは、父母の恩を忘れてはならないということです。この体は父母からいただいたものです。疎かにして、道を外れてはいけないと思い詰め、喧嘩や好色など危うい事、大酒大食の不養生はせず、言葉を慎んで禍を避け、善友と付き合い悪友から離れ、高い所に上ろうとせず、危険な船に乗らず、険しいところを通るときは馬から降りなさい。このように体を大事にすることが、父母から受けた恩を忘れないことです。またなるべく贈り物をして手紙を送るようにして、両親を安心させることが孝の最も重要なことで、このようにすれば離れていても孝行をしていることになり、孝でなければ一緒に住んでいても不孝です。」

 

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親が子供の面倒を見るように、子どもは親の面倒を見てやれということでしょうか。今これをやったら、マザコンだのファザコンだのと言い出されそうです。

 

ここまで言うってことは、よほどこの当時も親の面倒を見ないという人がいたのでしょうね。地域的には飢餓で姥捨てなんてのもあったようですし。