また質問した。
「理はよくて屈は悪いとはこのことを言うのでしょうか。」
答えて言った。
「そうならば理は屈です。例えば、人に対してその理ではない、この理のことだというと、最初のことは理屈になるでしょう。と書く人に対して理を言えば、人を屈せさせます。慎んで理を言えば言わない方が良いでしょう。たとえ道の上にあろうとも、人に当たることはその理屈になるのでございます。ならば、道も心友、師弟の間ならでは、一言も言ってはならない事だと思います。
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原文は難しいのですが、理屈というのは今でこそTheory=理論ということになるのでしょうが、この文章では理を言うことで相手を屈服させることであると言っています。
なるほどねぇ。
追い詰めて相手を恐縮あるいは委縮させること、勝負ごとに持ち込むことだと。自然科学の理屈であればいいのですが、文系の場合の理論だの理屈だのって、余りにも安っぽいと思いません?よく聞いてみると、それって解釈可能性のことを言ってませんか?検証可能ですか?という質問には答えられない思い付きが多いんですよね。
理屈を言うなら最初から同意を取って、定期的に理解度を確認するくらいのことをしないと駄目でしょう。
道徳としてもよほどのことがない限りは、言ったらだめな気がします。師匠が言うときは、これ以上やったら破門だぞって言う脅しに使い状態でしょうね。