幼い頃から嘘を言わないようにさせなさい。四歳か五歳の頃から、嘘を言うようであれば、厳しく折檻することがあってもやめさせなさい。そのまま放置していたら、とんでもない嘘つきになると、他人は愚か家来にも疎まれるようになり、この嘘が原因で様々な悪いことのきっかけとなる。だから嘘を言わないように異見しなさい。

 

また、親が嘘を言って子供に言う事を聞かせることがある。これはこどもに嘘を教えることになる。親としては慎みなさい。

 

楠木正成公が遠い地に行くことがあった。公卿の方々がおっしゃられた

 

「いつお戻りになりますか。」

 

これに

 

「いつまでには帰る」とお答えになった。

 

思ったほど早く用事が終わったので、帰る日を一日早めようとしたところ、道中をゆっくり歩かれて近くの宿にお泊りになった。近習の方がお尋ねになった。

 

「今日城にお戻りになっても特に問題はないと思いますが、どういう事でございましょうか」

 

と申し上げた。

 

「私が城を出るとき子供たちが、いつ帰るのと訊いてきた。いつには帰ると言ったので、その日に合わせて帰るのだ。子どもに言ったことと違うことをするのは、嘘を教えることになる。たとえ相手が子供であっても、嘘を言ってはならない。」

とおっしゃった。親子の間であっても嘘を言わず、約束は守るようにしなさい。親が努力しなければ子供は守らない。

 

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子供に嘘を言うのは宜しくないですね。ただ子供は、こうなるといいねという願望と約束の区別がつかないので、このあたりはよく教育していく必要があります。

 

あとあまり厳しく追及しすぎると、無自覚のうちにその場をやり過ごそうとして嘘を言う人が育ってしまいます。部下にそういうのがいまして、本当に困りました。事実確認から始めて、実際にどうだったのかを証拠を突き合わせていくという作業に忙殺され結局仕事にならず、結局出て行ってもらいました。あれも子供のうちに、日常からぶん殴られたか何かしていたのでしょう。