世間で弁財天というのは宇賀神に習合したものであり、昔くいものをうがと言ったので宇賀神とは食い物の御霊を祀っている。神代の巻にウカノミタマとある。これを蔵に積み重なる稲の魂という意味である。だから稲荷というのだ。稲荷は稲生つまり稲が生じる神という事だ。荷の字を書くのは荷前[1]という意味で、初穂ものの名前である。民が荷へる種には天下を養う役割があって、またくる年に生じる稲や種を含めている。人々は尊敬する。人を生かし、長く生きながらえさせる米穀の霊験は他にはない。米は民を養うので神道においては非常に重要である。

 


[1] 律令制下、毎年諸国から貢物(みつぎもの)として奉る調の絹、綿などのうち、その年の初物。

 

稲荷審についてはもともとは農業の神様ではないようです。

 

字面から農業の神様あつかいになり、ウカノミタマ、場合によってはウケモチノミコトと同じ扱いになったようです。秀吉の時代には出世の神様扱い・・・まあそんなもんですか。

 

山形に自動車の神というのがあり、たしかスサノウノミコトだったかな。まあこじつけがこじつけになり・・・というのがいかにも日本的というかなんというか。