ある人が言った。奉公人が勤めて宿這入りするとき覚悟しなければならないことがある。商売で人に損をさせてはならない、約束をたがえてはならない、おごり高ぶるそぶりを見せてはならない僭上者[1]と思われてはならない。主人の恩を忘れないように固く心に決めて、その上で立身出世を願いなさい。

 

その願いがあやふやであれば、簡単に家や藏を手に入れることはできない。例えば江戸に行きたいと普段から心掛けていれば、いつの間にかその旅費はできるもので、良い同行者もできて普段からの願いが叶うものだ。常々江戸に行きたいと思っていると口癖のように心掛けていなければ、旅費も同行者もできず、その思いは達成できないようなものだ。

 


[1] 分をわきまえずにさし出た行ないをすること。

 

夢を持つことと僭上者の区別がつかない人って結構います。いう内容はその人によってあともう少しの夢なのか、ただの傲慢なのかの違いがありますので、「そんなことを言うもんじゃない」と一概にいうものでもありません。

 

恵比寿屋さんの出身高校は見事なまでの底辺高校だったので、そこで「この大学に行きたい」と言ったら、まあ猛反対というか「お前如きに」まで言われましたよ。他にも似た様なことは随分言われましたが、90%は言ったことは実行してきました。だから、久しぶりにその人に会ったときは、恵比寿屋さんと目を合わせませんでしたね。なので、言う以上はいつまでにやるんだ?といっておく程度でいいと思います。まあこういうことも30歳ぐらいまででしょうか。

 

30歳過ぎて何の結果も出していないで、「俺は○○になる」とか言っている人は、もはや僭上者というべきでしょう。30歳過ぎて結果が伴っていなければ、ただのイタイ奴だと自覚したほうがいいと思います。これ本人が方向転換できる最後のチャンスであると同時に、親族にも迷惑が掛かり始めてますから。なので、若い人の特権だと思ってくださいな。

 

後段は、度々書いているオリンピック選手のイメージトレーニングのようなものだと思います。引き寄せの法則もこの類なのかな?でも失敗するのは、それが実現しそうになると怖がってしまう事らしいですよ。恵比寿屋さんの残り10%はそれなんだろうなぁと自覚していますけどね。