先日、ある人から事業化のお誘いがありました。
全くそそらないんですよね。
「それって、誰が得するの?」
「これはNPOだから。」
「いやいや、NPOって言ったって金が回らなきゃ何もできませんよ。」
「NPO法人は要件が揃えばできるはずです。」
「あのね、組織や法人を作ることと維持運営可能は全く別な話ですから。で、誰が得するの?」
「ですからね、〇〇と××をネットで公開して、地域おこしのマーケティングに使うんです。」
「顧客は誰なの?何にどのくらいのコストがかかって、どれだけの収益を考えてるんです?」
計画書を見せる。見事なまでに金の話がない。どのタイミングでどういった金の支出があって、どのタイミングでどれだけの金が入るのか、キャッシュフローが全くない。
「儲からないからNPOなんです。」
「これまで、〇〇と××の業界関係者と話をしたことはありますか?」
「いえ。」
いやもう何といったらいいもんかと。だったらボランティアでやろうでいいじゃないですか。そもそも、民宿の経営者なんだから、金廻り知識ぐらい持っててくださいな。自分の利益に思いっきりつなげたい、この部分のノウハウがないから手伝ってくれでいいじゃないですか。
でも肝心なものが抜けてるんですよ。ワクワク感。この事業をやって誰が得するのか、誰のための事業なのか。言っている本人がワクワクしてない。誰かにのっかりたいのが見えています。
喩え、物が揃っていかにも儲かりそうという案件でも、ワクワク感がないというのは致命的です。でもね、これにのっかった人がいたらしいですよ。後でこんなはずじゃなかったと大モメになるでしょう。
20分で会話終了にしましたが、こういうのに関わったら駄目ですよ。
なおNPOは利益を出してはいけないというのではなく、利益を配当しないという意味で、収益計算はちゃんとやらなければなりません。しかも、地域おこしだとか福祉だとか一見すると社会に貢献する組織のようなものが見られますが、よく観察しないと危険です。活動家の資金源になっていたり、マネーロンダリングになっていることもありますので、要注意です。