他人から案内を受けて行くならば、朝から注意して用事を早く片付け、行き先が遠くか途中に用事があれば、早めに行くようにしなさい。仲が良くても汚いものから着替えて、髪を整えるのがよい。遅く行くのは、無礼な最たる例なので、こういう事はないようにしなさい。

 

そうなれば、亭主は朝早く起きて掃除をして、いちずに気を遣う客は早くいらっしゃるかもしれない、ゆっくりと慰めようとまだ来ないかと待っているのに、ずっと遅くなれば朝からの気遣いに無になってしまう。却って愛想が尽きるものだ。その上、他の客もいれば亭主だけの話ではなくなる。無礼と成るので、追善や法事[1]のときは注意しなさい。

 

分の家に招くのに約束より遅くなれば、本当に困るのできちんと相手の事を考えなさい。さて、だいたいは日が暮れる前に帰りなさい。仲の良い人であるならば、場合によってはゆっくりと語るのもよい。だからと言って、長居するのも相手も困るし、召使いも迷惑するので、亭主がまだ残っていてほしいと思うくらいで帰りなさい。これは客の心得るべき事である。

 


[1] 年忌法要の事。

 

 

京都人が「ぶぶづけでも」と言うのは都市伝説らしいですが、いつまでも空気を読まずダラダラ居るのは非常に迷惑な話です。

 

それと同時に、遅れていくのも迷惑です。

 

外国人に言わせると日本人は時間を守らないのだそうです。なぜか。5分前に行くからです。5分前行動というのは海軍のやり方であって、それが一般に広がったようです。

 

国によって時間の感覚が違いますね。遊牧民であれば4時間、ラテン系だと1時間、ゲルマン系だと10分以内のようです。工業どのくらい発達

しているかによって時間の許容範囲が変わってくるようです。ごもっともな説です。

 

日本でも農村地帯とか雪国は、かなり許容される時間には差がありますね。ある田舎勤務をしていたときは、銀行が1時間平気で遅れてきたのには驚きました。更にまた用事がすんでも30分近くいたのには閉口しましたね。

 

少なくとも人を待たせるのは、人の時間を奪う、本来やれることを妨害したのと同じであるので、決してやらないようにしましょう。