病棟でテレビカード
病棟を回っていると、患者さんがテレビカードを購入しようとしていた。
1000円で10時間見られるのだが、テレビをつけたまま寝てしまうと朝にはなくなってしまう。
「つけっぱなしで寝たとき、やっぱり朝起きると悔しいんですか?」僕は尋ねた。
患者さんはニヤリとして答える。
「そりゃあ悔しいですよ!」
「オフタイマーもついていないから、どうにかならないものかねー。」
そんな患者さんは病棟でよく文句を言っているらしい。
看護の記録にもそのことが書かれていたが、ただ「厄介な人だなぁ」と思われているのかもしれない。
彼の本音を聞くと意外なものだった。
「病院の環境を良くしたい。」
自分はあと少しで退院するけど、これから入院する方はたくさんいる。
それが病院にとっていいはずなんだ、ということだそうだ。
病院にいる多くの患者はどちらかと言えば自分達より、この患者さんの立場に近い。
なぜそういうことを言うのか、それを考えなくてはならない。
ニーズが明確になる。
耳を傾けないのは愚か者のすることである。
誤解で終わってはもったいない。