731
中国で731の映画に関心が集まっているという。自分も何度かハルビンの731には行ったことがある。なによりもおそろしいのは、日本人の質が当時とさほど変わっていないと思えるからだ。職場では上司の命令には従わねばならない。異論を提起すれば、周囲からはじかれ、食いっぱぐれる。すさまじい同調圧力とパワハラ的なタテ社会のなかで、自分が組織に埋め込まれて行く。周囲の同僚を見ても、上司の命令なら、自分が直接に責任を問われないなら、なんだってやるだろうと思われる連中ばかりである。大学入試では、「学生の思考力を問う」などときれいごとを並べておきながら、社会に出れば自分の頭で考える奴はうるさがられ、横並びが美徳とされ、黙って命令に従う新卒が求められる。21世紀、自分が生きている世界はさして幸福な世界ではないということだ。