わたしは幸せです

なぜなら、

きちんとした根拠とか説明とかなしに

ただ、シンプルにそう感じることができるからです。

 

屋根のある家に住み、仕事もあり、

家族もいて…とかそんなことを並べ立てるつもりはなく、

今まで散々いろいろあったし、

今だって、相当ごちゃごちゃな事情を抱えて、オタオタしているけれど、

でも何だかんだ言っても、やっぱりわたしって幸せ者なのです。

 

アップルの創業者、スティーブ・ジョブスの言葉の一節に、"ステイ ハングリー"

そして、"ステイ フーリッシュ" つまり、"愚かであれ"と言うのがあって、

わたしはずっとこれに勇気づけられてきました。

 

というのも、ある時わたしは、自分のアタマの中のある部分が

すっぽり抜け落ちていることにふと気づいたのです。

他の部分はまだしも、論理的思考、長期的な視野、展望、計画性…

そのあたりに著しく欠けるところがあるなぁと気づいた。

もちろん、別に長所と認めているところもあるけれど、

1人の大人としての自分の全体像を眺めると、なかなかのお馬鹿さ加減なのです。

 

それは自己否定とかではなく、冷静に自己分析しての結果。

それゆえの失敗もありつつ、ただ精一杯生きて来たのは本当のことだし、

今まで何度か壁にぶち当たっても、

様々な力に守られて来たなぁと感じることも多々あるのです。

 

そして、ジョブズの言葉に出会い、彼の意味する真意はともかく、

自分なりには、わたしの「愚かさ」の中核をなす "大ざっぱな単細胞っぷり" が、

とにもかくにも、わたしらしさの原点であり、わたしの強みでもある、と感じました。

 

ジョブズの言葉は、そんなわたしでもいいんだよ、愚かに転んでしまっても、

そこでほんの少しでも気づけたことがあったなら、それでOKなんだよ、と聞こえ、

わたしをしっかり抱きしめてくれたのです。

 

お金持ちでもなく、若くもなく、体もあちこちガタピシではあるけれど、

大病はしたことなく、事故に遭ったこともない。

息子たちも元気に働いている、それだけで、

ああ、いまわたしは幸せだと、

何の曇りもなく言える一瞬一瞬を持てることが、

なによりも幸せ者の証なのだ、と思えるのです。

 

夕暮れ時 2024冬