今朝、子供から
「ご飯をつぐって言う言い方は、間違い?」と聞かれました。
「間違いやないよ。『ご飯をつぐ』って言うよ」と答えたら
「そうやんな。『つぐ』って言うやんな」と言うので、
「なんで?」と聞いてみたら、
「クラスのみんなが、そんな言い方はしないと言った」との事。


大阪生まれの大阪育ちで、40年以上生きてきているが、
ずっと「ご飯をつぐ」という表現をしてきたので、
大阪の小学校に通う子供から、このような事を聞き
少し、引っ掛かりを感じました。


そこで、自分なりに調べたところ
ご飯をお茶碗に盛り付ける事を表現する言葉として
以下のものが一般的に使われる事が判りました。


「ご飯をつぐ(注ぐ)」
   →器に物を入れる事を『注ぐ』と表現する。
    そもそも喫茶用食器を『茶碗』といっていたものが、
    喫茶の普及と共にその言葉も広まって、
    喫茶用途以外の磁器も『茶碗』と呼ぶようになった
    (磁器の代名詞となった)のだし、
    現在では、『お茶碗』といえば、ご飯専用食器の事になっている事を
    考えると、この「つぐ」という表現が一番古くからあるような気がする。


「ご飯をよそう(装う)」
   →食べ物を器に整えて用意する事を「よそう」と表現する。
    身だしなみを整える意味の「装<よそお>う」と同じ語源らしい。
    表現としては、他のものよりも上品な意味合いを帯びる事がある。
    という事は、「よそって」と言う表現は、相手に、
    「入れるだけでなく見た目も美しくして出しなさい」という
    少し上から目線の意味合いが込められているのか?


「ご飯をもる(盛る)」
   →器に物を入れて満たす事を「盛る」と表現する。
    また、「盛る」は山のような形になるようにする意味もあるので
    お腹一杯食べたい場合は、この表現が一番しっくりくるような気がする。


「ご飯をよそる」
   →上記「よそう」と「もる」が1つになったもの(混交語)。
    という事は、ご飯を山のような形で美しく盛り付ける事なのでしょうか。
    仏前に供えるご飯をイメージしてしまいました。


「ご飯をつける(付ける)」
   →ある物に、付随的な物を添える事を「付ける」と表現する。
    晩酌などで、先に、おかずを頂いている状態や
    旅館で前菜などを頂いている状態から
    ご飯食べるモードになる際、「ご飯を付ける」となるような気がする。
    主食とされているのに、余りにも其処にあるのが当たり前すぎて
    主役にされていない表現になるので、あまり好きな表現ではないです。


また、普通に「ご飯を入れる」という場合もありますし、
上記以外に方言もあるようです。


この「ご飯をお茶碗に盛り付ける事を表現する言葉」については、
結構前からインターネットのQ&Aサイト等で、
何度も話題に上がっているみたいなので、
検索すれば、いろいろな回答が出てくるようですが、
それら回答の中には、個人が自分勝手に誤って解釈して回答ものが、
ベストアンサーとされていたりする場合もあり、なんだかなぁと感じました。


ちなみに、口の中の物を体内へ入れる事を『飲む/呑む』と表現する事から
喫煙行為を「タバコを飲む」と表現する場合もあります。


「結論」
東京方言以外に違和感を感じ、
受け入れられない人もいるようですが、

ご飯を「つぐ」「よそう」「もる」「よそる」「つける」は、どれも正しい表現で誤りではない

状況に応じて使い分けてもいいのではないかと思う。


例えば、
 見た目もきれいに盛り付けて欲しい時には
  「ご飯よそって~」


 がっつり食べたい時は、
  「ご飯盛って~」


 普通にお茶碗に入れて欲しい(分量に拘らない)時
  「ご飯ついで~」


 晩酌が進んで、ご飯が欲しくなった時
  「ご飯つけて~」


みたいな感じで...