白き山。 | ゆかりのブログ。

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舞台の感想や日々のこと。
備忘録。

 
 
 
金曜日に観てきました。
 
 
 
 
 
 
「あかあかと一本の道とほりたり たまきはる我が命なりけり」
 
近代短歌の発展に大きく影響を及ぼした歌人・斎藤茂吉。 
戦争は終わったというのに未だ故郷である山形県金瓶にひとり疎開を延長中。
老いてなお悩めるこの老歌人が見失い、なお見出そうとあがき続ける「一本の道」とは?
 
 
 
 
 
 
 
 
※以下、内容触れます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
終戦の1か月後、山形に疎開している茂吉のところに長男の茂太さんと高弟の山口さんが東京からやってくるところ。
 
きっかけは茂太さんの弟の宗吉さんが送った手紙。
 
茂吉さんの体調は悪くないけど、何か以前と違う気がする…
 
最初に茂吉さん役の緒方さんを見た時に、Xで「アシベのリャンリャンパパに似てる」ってポストしてたのを思い出して、ちょっと『フフッ』ってなってしまった。←
 
「茂吉さんに雷を落とされてない」ということで、茂吉さんといろいろ話をするところ。
 
横からのぞき込んだり、怒鳴られて嬉しそうにしてたりで(笑)。
 
今回は劇団員3人だけの場面が結構あって、ワーワーしてたのかわいかった(笑)。
 
それに、茂吉さんのごはんを作ってるみやさんのキャラがとてもいい。
 
山形弁で喋るのも、「東京で働いてたことがある」って急に標準語になるところも楽しかった。
 
茂吉さんにどの歌がいちばん好きか聞かれて、「死に近き母に添い寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる」と答えるみやさん。
 
茂吉さんがお母さんの話をするところもしんみりしたし、具合の悪くなったお母さんの話をするみやさんにもしんみり。
 
茂吉さん「で、みやさんはちゃんと看取れたのか?」
 
みやさん「看取れたも何も、まだ生きてる」
 
笑!
 
病気っていうのもぎっくり腰だっていうし。
 
みやさんおもしろいなぁ。
 
私が想像していた以上に笑ってしまうところがたくさんあって、ちょっとホッとしつつ。
 
でも、みやさんの息子さんたちがみんな戦死したっていう話は辛かった。
 
茂太さんが戦地の夢を見てうなされていたり、宗吉さんの赤ちゃんを背負った若いお母さんの話。
 
重症ながらも「ぼうやをお願いします」って言った若いお母さん。
 
でも背負ってた赤ちゃんはもう亡くなってて、宗吉さんが思わず「死んでる」と言ってしまったこと。
 
そうしたらお母さんもすぐ息を引き取ってしまった。
 
そして「なぜあんなことを言ってしまったのか」と思っている宗吉さん。
 
「その答えは文学にしか見いだせない」っていうのは分かる気がする。
 
そして茂吉さんの戦争詠みについて。
 
茂吉さんに聞かれていると知らない宗吉さんが、「お父様が作ったとは思えない」って話すところ。
 
ここで宗吉さんが話すこともよかったけど、それを影で聞いてる茂吉さんの佇まいがとてもよかったです。
 
でもこの当時はしょうがなかったというか。
 
歌人だけじゃなく、歌も映画もすべてそうだったんだろうし。
(前の朝ドラでもそうでしたね)
 
葛藤というかなんというか。
 
 
 
 
 
茂太さん、宗吉さん、山口さんで蔵王に行った(?)ところ。
 
虫が好きな宗吉さんは虫を追いかけてどこかに行っちゃって(笑)、茂太さん山口さんで話すところもよかった。
 
最初「服が汚れるから」って立ったまま話してたのに、話してる間に普通に座ってて、最後に「しまった、座っちゃった」って言うのがおもしろかった。
 
山口さん役の岡本さんは飄々としてるから、サラッとこういうこと言うとすごくおもしろいにっこり
 
どこの場面だったか、山口さんが自分の作品の添削を茂吉さんに頼んで、原稿見て「わぁー、真っ赤だー…」って言ったところも笑ってしまった。
 
その後に山口さんが結核を患ってるっていうのが茂太さんたちに気付かれた場面もよかった。
 
山口さんが本当に茂吉さんを尊敬してるのが伝わってきて。
 
茂太さん宗吉さんが「父親として見てしまうというのもあるから」って言った時に「だからいけない」って言ったのは笑ってしまったけど。
 
あと、大量のうなぎのかば焼きの缶詰!
 
こっそり何個か頂いちゃおうとして、物音がすると茂吉さんが来たと思って「ごめんなさい!!!!!」ってうずくまる宗吉さんと茂太さん兄弟がめちゃくちゃかわいいニコニコ
 
山口さんの結核の話のあとで、宗吉さんが山口さんに缶詰追加で渡してあげるのもほっこり。
 
茂吉さんとみやさんの場面もよかった。
 
いつも明るく振る舞ってたみやさんが、息子さんたちを戦争で亡くした悲しさをぶつけるところ。
 
「万歳万歳って送ったんだ」っていうのは辛い。
 
「もしもなんて言っても仕方がない」って言うみやさんは強くて素敵だし、「戦争詠みは間違ってた。悪かった」ってみやさんに頭を下げる茂吉さんも素敵でした。
 
 
 
 
 
茂太さん、宗吉さん、山口さんが東京に戻る日。
 
宗吉さんが「あ、○○(虫の名前)だぁー」ってタバコ落としながら虫見に行ったのかわいかった。
 
この時、宗吉さん何話してたんだろう?
 
前の方の席の方がクスクス笑ってたし気になるー
 
配信でここ何て言ってたか分かるかしら?
 
茂太さんは飛行機に夢中だし、かわいい(笑)。
 
そのあと茂吉さんが戻ってきて「話がある」ってひとりひとりに言ったこともよかった。
 
最後に山口さんだけ呼び止めて、病院の紹介状渡すのよかったです。
 
茂吉さんも気付いてた。
 
前の場面で茂太さん宗吉さんにいくら受診するよう言われても「このことは先生には言わないでください」とか、治療せずに最後まで先生のために働きたいっていうようなことを言ってたんだけど、ここで茂吉さんに「専門医に診てもらいなさい」って言われて素直に「はい」って言うのもなんだかよかった。
 
茂吉さんが「おまえがいなかったら俺が困るだろうが!」っていうセリフにはじんときちゃいました。
 
 
 
 
 
その後、茂太さんから手紙がきて、茂太さんの奥さんが妊娠したっていう知らせに「孫、孫」って喜んでる茂吉さんもよかったし、うなぎ持ってきたみやさんと話すところもよかった。
 
最後の場面も照明と音楽がとてもよかったです。
 
 
 
 
 
今回図書館でこちらを借りたんだけど、全然読む時間がなくて、何の予習もしないで観に行っちゃったよ。




 
「斎藤茂吉」って名前聞いたことあるなーぐらいだったけど、精神科医だったということも含め、興味が出てきた。
 
ので、これから読みます。
 
茂吉さんの息子・宗吉さんが書いた小説。

(追記)
と思ったけど、読めなかった💦💦
 
 
 
 
 
茂吉さんの息子二人、茂太さんと宗吉さん。
 
お母さん(=茂吉さんの奥さん)が「お嬢様育ち」ということなので、二人が茂吉さんを「お父様」と呼ぶのは納得。
 
浅井さんの茂太さんは「お父様」なんだけど、西尾さんの宗吉さんは「おとうさま」なのよね。
 
弟の、というか末っ子の甘い感じが出てるというか、私の贔屓目がだいぶ入ってるからかもしれないけど、なんだかひらがなに聞こえる。
 
浅井さんに向かって「おにいさまぁー」(やっぱり「お兄様」というより、ひらがなの「おにいさま」に聞こえる)って呼ぶのに『ウフフ』ってなってしまったり。←
 
「宗吉!(キリッ)」「おにいさま(甘)」の対比に私ニヤニヤ
 
↑私だいぶキモいこと言ってるね驚きすみません無気力
 
それと、今回私がとても気になったのが宗吉さんの話し方。
 
「おとうさま」「おにいさま」と同様、なんだか甘い感じの喋り出しなのに、なぜだか語尾だけスッと感情が消える感じ。
 
ただの甘さだけではなく、宗吉さんの内面の複雑なところ(実はめちゃくちゃいろんなこと考えてるとか、現実的だったり冷静だったりするところ)が出てる感じ。

逆に茂太さんは戦地の夢を見てうなされてることや、病院を引き継ぐにあたっての不安とかをカバーしてるような、ちょっと強めで言い切る感じの話し方。
 
そう感じるの私だけ???
 
これは西尾さんと浅井さんがそうしてるのか、私の耳と脳がおかしいのか聞いてみたい。←
 
 
 
 
 
カテコで役者さんみんなが緒方さんに向かって拍手してたのよかったな。
 
村井さんが体調不良で降板されて(心配)、茂吉さんの役を急遽演じることになった緒方さん。
 
大変だったと思うけど全然それを感じさせない完成度。
 
すごいなぁ。
 
 
 
 
 
 
 
 
11月の本公演も楽しみです。
 
「芸術×人生×死」って書いてあったけど、タイトルが「つきかげ」ということで、もしやこれも作品名か?と思ってググってみた。
 
この方が主役の舞台なのかしら?
 
情報公開楽しみです。
 
 
 
 
 
 
 
 
斎藤茂吉
緒方 晋
 
斎藤茂太
浅井伸治
 
斎藤宗吉
西尾友樹
 
山口茂吉
岡本 篤
 
守谷みや
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