母の大好きなリハビリ担当者さんが、同じ病室の他の患者さんのケアを終えた後、母に短く声をかけてくださり去って行った。


母はぼーっとしていたらしく、声をかけてくださるまでその方が病室にいたことに気がつかなかったらしい。


母は


「気づかなかった…」


と軽くショックを受けていた!


母をずっと見ている私からするとショックを受けるのはそこじゃない。もっと重大な記憶や認識の欠損もあるのに。


確かに普段はお声だけでその方の存在を認識することも多いけれど。その方は母にとって特別なのだ。


かわいい母。少し罪悪感さえ感じていたようだ。


「大丈夫よ。また来られたらご挨拶しようね。」


と言うと納得していた。


認知があろうとやはり母の中で優先順位、これだけは大事というものがあるらしい。


できるだけ理解して尊重してあげよう。