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泥まみれのユニフォーム

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一昨日は高校3年生の野球部の甥っ子の兵庫県大会の応援のために、兵庫県高砂市野球場へ。
この高砂市野球場に来たのは24年ぶり。そう、自身の高校野球の最後の夏の試合はこの高砂市野球場。四半世紀ぶりに来たのに、なぜだか、つい先日自分がここでプレーしたような感覚。
スタンドには兄夫婦と、甥っ子の祖父母になる私の両親も。24年前は自分をこんな感じでスタンドから両親が応援してくれていたのかと想像しただけで、試合前から胸が激アツでした。

甥っ子のユウダイ、兄夫婦の長男。
昔から子供好きでしたが、今から18年前のユウダイが誕生し、初めてダッコさせてもらった時、『これがファミリーってやつか!』っていうぐらい、今までに感じたことがない親近感だったことを鮮明に記憶している。

子供の頃から野球が好きだったユウダイ。近所に野球チームはありませんでしたが、子供会のソフトボールに積極的に参加し、ピッチャーの練習のため、私の兄であるユウダイの父と、毎日のように朝晩家の前で投球練習。その甲斐あって、ソフトボールチームではエースを任され張りきっていました。
中学に進学したら、大好きな野球を思いっきり楽しみたかったユウダイでしたが、過疎の町の中学校の野球部はもう廃部となり、ユウダイは仕方なく卓球部に入部し、野球とは無縁の中学生活を過ごすことに。
『高校から野球をはじめても、みんなについていけるかなぁ』。あれだけ野球好きだったユウダイも徐々に野球をすることに難しさを感じているようでした。

2年前のユウダイ高校入学直後の春、たまたま帰省した時、ユウダイが父親とキャッチボールをしていました。聞くと、『やっぱり野球部に入って頑張ってみようかな』と。
叔父として、自分も経験した高校野球にトライしてくれる喜びと共に、高校で初めて野球に取り組む心配もありました。

入部してからも挫折の連続だったようです。野球未経験のユウダイのポジションは外野。打球を追っても、フライの落下地点の目測も上手くはかれないし、スローイングも正確性に乏しい。2年生になっても、少人数の野球部の中、ベンチ入りもできず悔しい思いをしてきました。新チームになり、一度ユウダイは野球部を辞めたいと父親に相談したそうです。体力的にはもちろん、精神的にもいっぱいいっぱいだったはず。家族にも、チームメイトにも慰留を受け、最後の夏を目指して頑張りました。

最後の夏、もらってきた背番号は『9』。
練習試合などで、特にバッティングなどで結果を残して、見事にレギュラー番号をもらい大会へ。
1回戦スタメン出場し、ヒットはなかったものの、チームが2ー1で勝利し、一昨日の2回戦へ。
そしてその2回戦でも6番レフトでスタメン出場。第1打席チャンスで空振り三振。第2打席も空振り三振。
そんな中訪れた4回裏の守り。先頭バッターが放った打球はレフト線ファールゾーンのブルペン方向へ。ギリギリ追いつくか、それともスタンドに入ってしまうかという打球。3塁側のスタンドで見ていた我々家族の所からは死角で、打球もユウダイの姿も見失ってしまいました。
『アウト!アウト!』3塁塁審の大きな声とゼスチャーのあと、すぐにユニフォームが全身泥まみれになった安堵の表情を浮かべたユウダイの姿が見えてきました。横にいたユウダイの父である私の兄の必死で涙をこらえる表情に気づき、こちらもグッときました。
私の父である祖父も顔がくしゃくしゃになっていました。ユウダイはどんな気分で打球を追い、フェンスをも恐れずに頭からボールに飛び込み、グラブにボールが入っているのが確認できた瞬間どんな思いだったのだろうかと想像しただけで、あのプレーを思い出しただけで、目頭が熱くなります。

試合は県内でも有名な古豪に善戦むなしく5ー2で敗戦。試合後整列した甥っ子のゲームに敗れた悔しい表情と共に、高校生活野球を続けられた達成感も姿に滲み出ていて、とても立派な立ち姿でした。

叔父の目から見て、どれだけ贔屓目にユウダイを表現しようとしても、全く勉強もしないし、ゲームばっかりやってるし、本当怠け癖のある甥っ子です。でもね、本当優しい素直な良い子なんです。
ネットばかりしていて、僕のSNSもフォローしているので、この記事を目にするでしょう。いつも会えば僕に説教されているから、ここではしっかり褒めてあげたいです。

ユウダイよくやった!
でも、頑張れた後、その頑張りをどうやって次につなげられるか。これから社会に出ていくと、もっともっとたくさんのことにぶつかるでしょう。その時に思い出せ、あのヘッドスライディングのジャンピングキャッチを試みた瞬間の勇気を。やればできる!キャッチできるかどうかじゃなく、ジャンピングキャッチを試みられるかどうか。試みられる勇気、自信をさらに強く持てるように、日々頑張りなよ。結局説教になっちゃったな。

高校野球ってホンマいいね。
【一生懸命に勝る美しさはなし】


家族ネタですみません。
この日の感情をしっかりと残したくて書かせてもらいました。