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L 森本稀哲

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先週月曜日夜、僕の携帯電話が鳴った。

『森本稀哲』


彼との出会いは2003年。
僕がベイスターズのスタジアムDJをスタートさせたその年に、当時ファイターズでプレーしていた彼とファームの球場で出会いました。
とにかく練習中から大きな声で元気はつらつ、グラウンドを縦横無尽。試合では走・攻・守、そして彼が持つ天性のオーラで輝きを放っていました。
そしてチームスポンサーのイベントが試合前にあれば、相手ベンチからも快く登場してくれたりと協力してくれ、いつからか仲良く話すようになりました。

一軍のレギュラーを掴んだ彼はファイターズの日本一に大きく貢献し、プロ野球界を沸かせていました。そんなスター選手になっても横浜スタジアムで会えば、あの満面の笑顔で『ケチャップさ~ん』と足を運んでくれる変わらない男でした。


そして2010年のシーズンオフ。当時のベイスターズ常務から連絡がありました。
『森本稀哲選手が入団してくれることになりました。彼が入団会見を中華街でケチャップと派手にやりたいと言っているので、お願いできますか?』と。

彼のベイスターズ入団会見当日。3年連続最下位に沈んだシーズンオフでしたが、中華街には『β』マークのキャップを被ったファンが大勢つめかけ、入団会見会場前の道路が交通規制がかかるほどでした。

2011年オープン戦。
彼が初のベイスターズでの沖縄キャンプを終え、βマークのユニフォームをまとい迎えるオープン戦初戦。沖縄セルラースタジアムでのジャイアンツとのゲーム。僕はDJとしてグラウンドに立ち、いよいよプレーボールの時。守備につく選手達を一人一人コールしていきます。
『センター   Our new HERO ♯5森本稀哲!』
僕のコールにあわせて稀哲がベンチを飛び出していきます。僕を右手で指差しながら満面の笑みで。あの時ホンマに泣きそうになりました。
試合後『ちょり、めっちゃ嬉しかったやん。』と話すと『だってケチャップさんもチームの仲間じゃん!』って。目がウルウルになって必死に涙を我慢したのを覚えています。

彼と同じチームでDJができたのは2年間でしたが、僕が嬉しい時はいつも一緒に喜んでくれ、辛い時はいつも背中を押して励ましてくれました。

2012年オフの彼の結婚式。
彼の人生の晴れの日の司会に僕を指名してくれました。稀哲らしい演出だらけの結婚式。笑いいっぱい、そして最後の謝辞で見た稀哲の大号泣。一生忘れない結婚式でした。
その結婚式で彼をプロ野球の世界へとスカウトされたファイターズ山田GMのスピーチもとても印象に残っています。
『彼を最初に見た時、体は未熟でしたがこの子はプロ野球で活躍すると思いました。それは彼が一生懸命グラウンド整備をする姿でした。』
森本稀哲という男の深さ・魅力の厚さが想像できるとても素晴らしいエピソードです。稀哲は真面目で、感謝の心を忘れない、人の縁を大切にする心優しい男なんです。

ライオンズに移籍し、僕もバファローズでお世話になるようになってからも、電話したり、たまに食事したり仲良くさせてもらっています。



『ケチャップさん、最近仕事充実してるじゃん!良かったっすね!』
この季節のベテラン選手からの電話には薄々と嫌な予感が働いてしまいます。この時の自分は稀哲からの報告を遮るようにあれこれ話題転換をしようとしていました。

『ケチャップさん、俺引退します』
『あ、ホンマ。残念やけど、ま、稀哲の次の人生も楽しみやからな』
『そうなんすよね。僕もこれからの人生が楽しみなんですよ』
稀哲らしい明るい希望に満ちた声のトーン。
でもな、稀哲やっぱり寂しいわ。正直言ったらめちゃめちゃ寂しい。もっともっとお前がグラウンドを走り回る姿、まだまだ見たいわ。

プロ野球選手としてこれほどにまで、『プロ』というワードに責任を持ってプレーしていた選手はいないでしょう。

ありがとう、稀哲!
でもまだ終わってないよな。最後の最後まで稀哲が稀哲らしく野球している姿を楽しませてもらいます!

シーズン終わったらご飯行こうな。