俳優で情報番組『めざまし8』のメインキャスターを4月から務めている谷原章介(48)は19日、同番組で「ああ、もうこの方にお会いすることはできないんだな、この世にはいないんだなと思うとすごく寂しくなります」と心境を語った。

谷原は、TBS系日曜劇場枠で放送されたテレビドラマ『おとうさん』(2002年10月期)で田村正和さんと共演している。ドラマでは4姉妹(飯島直子、中谷美紀、広末涼子、深田恭子)の父親役を田村さんが主演し、中谷演じる次女の恋人役の谷原は「(田村さんが劇中で)義理のお父さんになったんです」と説明した。そして撮影現場での田村さんについて「本当に物静かな方で、声を荒げることもなくて、僕みたいな若手にもすごく配慮して気配りしてくださるような優しい方」と振り返った。それ以来会う機会はなかったというが「いつでも田村正和という方がこの世にいてくれる、役者として先輩でいてくれるという心強さといいますか…。いなくなるだろうと想像もしていなかったことなので本当に昨日はショックを受けました」としんみりした。

また田村正和さんの代表作の1つであるフジテレビ系『古畑任三郎』シリーズについて谷原が役者目線で感嘆したのは、事件の謎解きの前に古畑がモノローグで語るシーンだ。「普通のご自身がいる演劇の舞台の芝居のなかでいきなりモノローグで自分語りで芝居に入る。全然違う作業に入っていくんですね。それってもちろん演出の妙もあるんですけど、田村さんだからこそできる説得力みたいなものがすごくあると思います。これは本当に田村さんしかできない魅力ですね」と述べた。

他にも谷原は「いっつもね、アルマーニのスーツ着てるんですよ。アルマーニのカジュアルな服とか。柔らかい素材を細身の体で優雅に着こなしてらっしゃって。撮影所の車回しのところに黒塗りのセンチュリーでパッと降りられるとアルマーニで。スタジオに入るときもリハーサルのときでもいっつもアルマーニ。素敵だなあと思って」とプライベートが謎に包まれている田村さんの貴重なエピソードを披露した。