この道より 我を生かす道なし
この道を歩く。
『ちょうちん』は、1987年5月23日に公開された陣内孝則主演、
梶間俊一監督によるヤクザ映画。ヴァンフィル、廣済堂プロダクション、
東亜興行製作、東映配給。
1983年の『竜二』公開後、急逝した金子正次が、死の直前の病床で書いた遺作の映画化。金子の脚本の映画化としては『竜二』、『チ・ン・ピ・ラ』（1984年）に次いで三作目となる。新宿・歌舞伎町を舞台にガンに侵されながらもヤクザとして生きる青年の痛ましい生き方を、風に揺れるちょうちんに託して描く。
ストーリー
三東会のヤクザ、村田千秋（陣内孝則）は新宿をシマに、幸三(渡辺正行)、哲(小沢仁志)、誠(奈津あつし)の三人の若衆を率いて蠢いている。ローンのベンツを乗り回しているものの、カツアゲなどチンケなことをやっている。それも組の大幹部、町田（原田芳雄）や兄貴筋の花木(内藤剛志)たちに小突かれながらだ。
やっとのことで或るポルノショップの立退きを成功させた夜、
千秋（陣内孝則）は町田(原田芳雄)に従いて行ったクラブ「峰」で新入りホステスの新子(石田えり)に目を止めた。
翌日の夜、また「蜂」に出かけたが、新子(石田えり)は地上げ屋の井崎(小野武彦)に誘われて別の店へ。
行きがけに彼女は自分の部屋の鍵を千秋（陣内孝則）に放ってよこした。
千秋（陣内孝則）が新子(石田えり)の部屋へ行くと5歳になる息子、アキラ(三宅顕三)が留守番している。
新子(石田えり)を待つ千秋（陣内孝則）に、哲(小沢仁志)からショバで客ともめごとが起きたと報せが入った。
千秋の妹、涼子(新田恵利)がひとり暮らしを始めたいと出て行った。
彼女は勤め先のチーフ、弘(安藤一夫)に迫っているのだ。
新子(石田えり)から電話があり、千秋（陣内孝則）は初めて彼女を抱いた。そんな折、千秋（陣内孝則）は不渡りをつかまされた。本橋(内藤武敏)という男から取立てたもので、本橋(内藤武敏)を問いつめると息子から盗み取ったと白状した。その息子、平山(佐藤英)は、光陽銀行の融資係だという。
千秋（陣内孝則）たちは銀行へ乗り込み、当座預金の口座を開かせ、3000万円の大金を融資させた。千秋（陣内孝則）は念願の事務所を開いた。
だが、井崎(小野武彦)からクラブのママにならないかと持ちかけられた新子(石田えり)への嫉妬から、千秋（陣内孝則）と新子(石田えり)の気持ちはすれ違い、飲んだくれた新子(石田えり)は自暴自棄に幸三を部屋に引き入れてしまった。
翌朝、それを知った千秋（陣内孝則）は幸三(渡辺正行)を痛めつけた。やがて幸三(渡辺正行)は、千秋（陣内孝則）のライバル花木（内藤剛志）の軍門に下った。
ある夜、千秋（陣内孝則）は本橋(内藤武敏)に襲われた。平山(佐藤英)が銀行を首になったというのだ。実は花木（内藤剛志）が幸三(渡辺正行)を使って、例のネタで一億円近くゆすったためだ。その時、千秋（陣内孝則）は吐血した。
やがて、三東会の破門状がまわり、千秋（陣内孝則）は警察に捕えられた。
出所した彼は新子(石田えり)の所に迎え入れられる。その頃、幸三(渡辺正行)は貫禄をつけ哲（小沢仁志）や誠を(奈津あつし)従えていた。ある朝、自分でも気づかずガンに冒されていた千秋（陣内孝則）はベッドに伏して動かなかった。
キャスト
- 新宿三東会・組員…村田千秋（陣内孝則）
- クラブ『峰』ホステス…新子（石田えり）
- 千秋の若衆…幸三（渡辺正行）
- 千秋の妹…村田涼子（新田恵利）
- 新宿三東会・幹部…町田（原田芳雄）
- 町田の妻…町田悦子：加賀まりこ
- 本橋：内藤武敏
- 新宿三東会・兄貴分…花木：内藤剛志
- ポルノショップ店長…越川：穂積隆信
- 美容院チーフ…吉村弘：安藤一夫
- 千秋の若衆2…哲：小沢仁志
- 千秋の若衆3…誠：奈津あつし
- アキラ：三宅顕三
- ケンちゃん：趙方豪
- みち：余貴美子
- かま八：不破万作
- 瀬川：伊藤敏八
- 地上げ屋…井崎：小野武彦
- 平山：佐藤英
- クラブ・ユタカのマネージャー：佐藤蛾次郎
- マッサージ師：時任三郎
- 支店長：小林稔侍
フォトギャラリー
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