『逢いたい時にあなたはいない…』は、1991年10月7日から 12月16日までフジテレビ月曜9時枠の連続ドラマとして放送されたテレビドラマ。全11回。
札幌に転勤した男性と、彼を東京で想い続ける女性の「遠距離恋愛」をテーマに据えたテレビドラマとして放送された。2人がすれ違いや寂しさゆえにほかの異性に揺れながらも、お互いを信じていく姿を描いている。

大学付属病院小児科の看護師・美代子(中山美穂)と乳製品会社・昭和乳業に勤める雄介(大鶴義丹)は、お互いの多忙のため、デートもままならないカップル。付き合い始めて1周年のデートで、雄介は札幌への転勤が決まったことを打ち明ける。ふたりの遠距離恋愛が始まったが、距離の壁と仕事の多忙さから次第にすれ違いが多くなり、さらに気になる異性の出現で、美代子と雄介の心は揺れ動き始める…。

 

新番組予告

 

第1話    1991年10月7日    別離

 

第2話    1991年10月14日    冬の約束

 

第3話    1991年10月21日    秘密の夜

 

第4話    1991年10月28日    すれ違い

 

第5話    1991年11月4日    甘い誘惑

 

第6話  1991年11月11日 涙の再会

 

第7話    1991年11月18日    傷心の旅

 

第8話    1991年11月25日    さよなら

 

第9話  1991年12月2日  あの人を忘れたい

 

第10話    1991年12月9日    想い出にさせない    

 

第11話    1991年12月16日    明日へのさよなら    最終回

 

ストーリー

看護婦の美代子(中山美穂)は、つきあい始めて1年になる交際相手の雄介(大鶴義丹)から札幌に転勤になったことを告げられる。看護婦で、ただでさえ自由な時間をとりにくい美代子は不安を募らせるが、雄介は「離れていても大丈夫」と言う。東京と札幌。二人の遠距離恋愛がはじまるが、心配した通り、勤務が不規則な美代子と仕事が多忙な雄介は連絡を取り合う機会も減り次第に心の距離も離れていきそうになる…。寂しさを紛らわせるように美代子は、身近にいる中西(風間トオル)や高瀬(藤井郁弥)との出会いを重ね、一方の雄介も職場の梢(設楽りさ子)が好意を寄せてきて…。長い離れ離れの生活の中で二人は愛を貫くことができるのか?

 

出演者
大木美代子 - 中山美穂
野口雄介 - 大鶴義丹
有本健太郎 - 森脇健児
浅川雅子 - 渡辺梓
渡辺千秋 - 七瀬なつみ
酒井康子 - 小松千春
中村浩子 - 生田智子
美代子の父 - 北村総一朗
美代子の母 - 松本留美
古川梢 - 設楽りさ子
高瀬和人 - 藤井郁弥
中西隆一 - 風間トオル
高瀬茂 - 西亨太(子役)
高瀬の元妻 - 水島かおり


最終回の内容
最終回、ヒロイン・美代子は、一度は別れたものの、どうしても忘れられない雄介への想いを抑えきれず、札幌に行くことを決意します。しかし冬休みで込み合う羽田空港で夕方までキャンセル待ちしたものの、結局乗ることができず、失意のまま夜勤に就くのでした。
 夜勤明けの翌朝、友人から羽田14:00発千歳行きANA65便のチケットが取れたとの連絡。美代子は喜んで羽田に向かいますが、千歳空港が吹雪で天候調査のため、出発が見合わされてしまいます。小春日和の青空を恨めしく見上げるヒロイン。やがて何とか飛び立ちましたが、今度は機内で急病人が発生。美代子の診断で羽田へ引き返すことになり、彼女はそのまま付き添って病院に行ってしまいます。美代子の判断で急病人は一命を取り留めますが、結局その日の千歳行は最終便まですべて満席。今日中に札幌に行けないことを知った友人は「どうして羽田に引き返せなんて言ったの!」と訊ねますが、美代子は「‥私、看護婦だもん‥」とポツリ。彼女の仕事への思いの深さを悟った友人は、明日のキャンセル待ちを薦め、彼女を慰めます。
 ‥羽田で落ち込む美代子の前に、一人の男が現れます。美代子に想いを寄せながら、札幌の雄介への想いの深さゆえ、受け容れられなかった男性でした。旅行会社に勤める彼は、「クリスマスプレゼント」といって美代子に一枚のチケットを差し出します。それは羽田20:00発千歳行き最終ANA75便の航空券でした。「旅行会社は必ずキャンセル待ちのチケットを押さえておくんだ。こういう万一の事態に備えてね」との彼の言葉に美代子はハッとなります。さっきのANA65便のチケットも彼が用意したものだったのです。「どうして私のために‥」。そう訊ねる彼女に、彼は「俺のためだ」と答えます。「自分の手で君を彼のところに送れば、君が忘れられる」と。涙が溢れてとまらない美代子。こうして美代子は、ようやく千歳に飛び立てたのでした。

 

今では想像できないすれ違いの連続
恋愛ドラマの王道ともいえる題材で、すれ違いの連続の二人が障害を乗り越えていかに愛を貫くのかがじっくり描かれた。ヒロインが看護婦ゆえ、寮住まいで電話が共同電話だったり、お互い外出していてつながらないなど携帯電話が普及していなかったこともあって距離の離れた二人のすれ違いが「これでもか」というほど展開した。二人のすれ違いをじっくり描く過程で、本当に大切な人とはどんなことがあっても離れ離れになってはダメ。いつも近くに寄りそっていないと!という気持ちが切々と湧き上がって、この時代を象徴的に代表するドラマの一つとして語り継がれている。

 

昭和時代だからこその

不便さが切なさの演出になっていて、多分今の若い人が見たらえ~ッと思いそうです。
今みたく、携帯電話やメールがあったら、どんどん時間の合間に連絡がつきやすくなって、すれ違いもすくないですものね。
携帯がない時代の、遠距離恋愛の物語。今では、まったく考えられない、すれ違いすれ違いの連続で、たぶん笑っちゃうんじゃないかな?でも本当に昔は、こうだったんですよ。今の人達が、ギャップを楽しむのにいいかも。

 

 

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