大型連休 は 快晴つづきの
神々しいばかりの 日々がつづいた
新しき 年の始めの 初春の
今日降る雪 の いや重け 吉事(よごと)
万葉集 巻20 4516 大伴家持
万葉集は 全部で 4500首ほど あるが
これは、その一番最後の の 歌
作者 の 大伴家持は
万葉集の編纂者だと いわれている
この時 家持は 40歳すぎ
藤原氏 との 政争に 敗れ
因幡の国へ 左遷 …
失意のうちに 歌った 最後の歌だとか
連休中に その “因幡の国”
因幡万葉歴史館へ 行ってみた
園内にある “新しき 年の始めの…” の 万葉歌碑
天平宝字三年 正月に 因幡国庁で
歌われた 寿ぎ の 歌 …
左遷された失意が
あまり感じられない
“妙に” 明るい 歌
その 因幡国庁跡へ
なんか 遠くにみえる 円錐形の山が
大和三山 の 耳成山に そっくり(汗)
藤原京跡の ミニチュア判 みたい だった
ここの風景 は
1300年前 と 少しも変わらない
わたし は 家持 と
同じ空間を 共有しているのだ と 思うと
肌が ひりひり するような
感動 が 沸き起こった …
春の野に 霞たなびき うら悲し
この夕影 に 鶯鳴くも
万葉集 巻19 4290 大伴家持
これも 同じく 家持の歌
“うら悲し” は …
家持 の こころ が
そうさせて いるのか は
わたし には 判らない
“夕影に鶯鳴く” の 耽美さ が
後世の わたしたち を
引き付けて離さない のも 事実である
そして …
巻20 4516番歌 を 最後に
彼 は 歌の世界から
忽然と 姿を 消すのであった