血小板減少、貧血によって、造血器疾患を疑われ、

骨髄検査を受けましたが、数が少ない事以外に異常はありませんでした。

一過性の血球減少の可能性もあるため、半年間、

自然寛解することを祈りながら、経過観察をしましたが、血液データは改善せず。

主治医は、中等症の再生不良性貧血であると診断しました。

 

再生不良性貧血の主な治療法は、造血幹細胞移植と免疫抑制療法があります。

造血幹細胞移植は、HLA型が一致する人の造血幹細胞を採取し、

患者に移植するという治療法です。

HLA型とは、白血球の血液型のようなもので、

広く知られている、ABO型は、赤血球の血液型です。

赤血球の血液型は、A、B、O、ABの4種類ですが、HLA型は、たくさんあります。

非親族間での一致率は、数百から数万分の1くらいの確率です。

兄弟間では、4分の1の確率で、一致すると言われています。

造血幹細胞移植では、移植前に、放射線を使って、

自分の血球を全て破壊しなければなりません。

他人の造血幹細胞をそのまま移植すると、拒絶反応が出るからです。

拒否反応とは、患者のリンパ球がドナーの造血幹細胞を、

異物と認識して、攻撃してしまうことです。

これは、造血幹細胞移植だけでなく、臓器移植でも起こります。

故に、臓器移植の場合も、免疫抑制をかけるのです。

造血幹細胞移植は、非常にリスクの高い治療法ですので、

軽症者の場合は、かえって生存率が下がってしまいます。

しかし、この治療法は成功すれば、再発の心配や、

他の関連疾患に移行するリスクはありません。

 

免疫抑制療法は、HLA一致ドナーのいない重症者や、

中等症の患者を対象にした治療法です。

この病気は、自己免疫疾患だと言われています。

白血球の仲間であるリンパ球が、造血幹細胞を、

敵と勘違いすることで、攻撃してしまうのです。

故に、リンパ球を殺してしまえば、造血幹細胞が復活するという訳です。

よく、ネットで検索すると、

「なぜ、再生不良性貧血は、血球が減少してしまう病気なのに、

免疫抑制して、リンパ球を減らすのか」という質問を多数、見かけました。

↑これが、理由です。

リンパ球が、造血幹細胞を敵認識する理由は分かっていませんが、

何らかのウイルスが、リンパ球を騙して、攻撃させるという説があります。

免疫抑制療法は、造血幹細胞移植と比較すると、リスクの低い治療法ですが、

再発の可能性は決して低いものではありません。

また、この治療法では、発症から早期に行うことで、

より高い効果が得られやすいと言われています。

 

私は、中等症の再生不良性貧血なので、免疫抑制療法を勧められました。

「まだ若く、先が長いから、早めに手を打っておいたほうがいい。」

「発症から時間が経つと、免疫抑制療法が効かなくなる可能性がある。」

 

免疫抑制療法には、様々な種類がありますが、

そのことに関しては次の記事で書いていきたいと思います。