再生不良性貧血とは、全ての血球が減少する病気で、

白血病やMDSなど、他の病気を除外できる場合に診断できる。

まず、全ての血球が減少しているという事においては、

以下の基準が目安となる。

ヘモグロビン値が、男12g/dl、女11g/dl未満。

白血球数が4000/μl未満、血小板数が10万/μl未満。

 

以下の検査所見が加われば、確実性が増す。

・好中球減少(1500/μl)でなおかつ、網赤血球の増加がない。

   →好中球とは、白血球のうちの一つで、細菌を食べて殺菌する性質を持つ。

   →網赤血球とは、出来て2日以内の若い赤血球のことである。

       この値が高いと、赤血球の生産が活発になっている。

・有核細胞が減少している事。

   また、減少していなくても、巨核球が減少していて、

   リンパ球比率が上がっているのが特徴。

   →巨核球とは、血小板の元になる細胞である。

   →リンパ球とは、白血球のうちの一つで、ウイルスを殺す働きをしている。

   ※再生不良性貧血において、リンパ球が上昇する理由は、

      後の記事で書くことにする。

・骨髄検査で造血細胞の現象がある。

・血清鉄の上昇、不飽和鉄結合能の低下がある。

   →血清鉄とは、血液の中に貯蓄されている鉄分量のこと。

      再生不良性貧血では、赤血球が作れなくなるので、

      鉄分が溜まっていく。

 

また、再生不良性貧血は、血球減少の程度によって、

5段階の重症度に分類されている。

 

ステージ1 下記以外

ステージ2  以下の2項目以上を満たす。

                網赤血球数 60000/μl未満

                好中球数      1000/μl未満

                血小板数    50000/μl未満

ステージ3  ステージ2のうち、定期的な赤血球輸血を必要とするもの。

                定期的な赤血球輸血とは、月2単位以上の輸血が必要な時を指す。

ステージ4  以下の2項目以上を満たす。

                網赤血球数 20000/μl未満

                好中球数        500/μl未満

                血小板数    20000/μl未満

ステージ5  好中球200/μlに加えて、以下の1項目以上を満たす。

                網赤血球数 20000/μl未満

                血小板数    20000/μl未満

 

↑厚生労働省 特発性造血障害に関する調査研究班のデータを要約。

 

ヘモグロビン値が下がると、体に酸素が回らなくなるので、

動悸、息切れ、易疲労感などの症状が出ます。

血小板が少なくなると、あざができやすくなったり、

歯磨きをしただけで、歯茎が出血したりします。

女性の場合は、月経量が増加する事もあり、

婦人科系の病気だと疑って、婦人科に行く人も多いそうです。

現に、私がそうでした。

これらが再生不良性貧血の兆候です。

 

多くの造血器疾患は、原因不明で、予防法も分かっていませんが、

定期検診を受ける事で、早期発見が出来る病気です。

私は「自分の体は健康である」と過信していたため、

4年間、定期検診を受けていませんでした。

しかし、どんな病気でも、早期発見と早期治療介入が、

最も体に負担が少なく、かかるお金も少なくて済みます。

健康診断は面倒ですが、重症化してからの医療費を考えれば、安いものです。

私も、病気になって初めて、健康診断の重要性を知りました。