前回は、大学病院を紹介されるまでの内容を書きました。

要約すると、動悸・息切れ、月経量の増加で、婦人科に行っても異常がなく、

内科で血液検査を受けると、赤血球数・血小板数が減少していたという話です。

詳しくはこちら↓

https://ameblo.jp/yayoi-kasuga/entry-12306306542.html?frm_id=v.mypage-checklist--article--blog----yayoi-kasuga_12306306542

 

大学病院に行くと、血液検査を受けるように指示されましたが、

今回の結果も、内科で出た結果と同じような結果でした。

しかし、今回の検査には、網赤血球数やフェリチンという項目が増えていました。

網赤血球とは、完成して2日以内の赤血球で、

この値が大きければ、赤血球の生産が活発になっているということです。

フェリチンとは、体の中に貯蓄されている鉄分の値です。

 

先生は、検査結果を見て、鉄欠乏性貧血を否定しました。

鉄欠乏性貧血では、最も広く知られている貧血の事で、

鉄分が不足する事によって、血液が足りなくなる病気です。

先生は、検査結果を見て、真っ先に鉄欠乏性貧血を否定しました。

 

私の場合、フェリチン値が高値=鉄分の貯蓄は十分だったのです。

通常、人間の体は、赤血球が少なくなると、

それを補おうと、必死で赤血球を作ろうとします。

故に、貧血で、鉄分が不足していなければ、

網赤血球の値が跳ね上がり、基準値を超えるのが普通です。

しかし、私の場合は、網赤血球数が基準値内で、

体が本気で血液を作ろうとしていません。

赤血球系だけでなく、血小板も不足しています。

つまり、私の貧血は鉄分云々ではなく、

造血システムそのものに原因があるのではないかとの事でした。

 

血液細胞は、骨の中にある骨髄で作られています。

骨髄には、造血幹細胞がたくさん入っていますが、

これは、血液の卵のようなものです。

この造血幹細胞が、それぞれの形に進化して、白血球や赤血球の形になります。

 

全ての血球が減ってしまう病気は、たくさんあります。

全身性エリテマトーデス(以下、SLE)、

白血病、骨髄異形成症候群(以下、MDS)、再生不良性貧血(AA)。

全身性エリテマトーデスとは、自己免疫疾患の一つです。

本来、細菌やウイルスから、自分の身を守ってくれるはずの免疫が、

自分自身の体を攻撃することにより、炎症などを起こす病気です。

 

白血病は「血液のがん」と言われています。

遺伝子変異を起こした白血病細胞が、骨髄(血液を作る場所)を占拠することで、

正常な血液細胞を作る邪魔をして、他の血球が減ってしまうのです。

 

MDSは、「前白血病」とも言われています。

白血病細胞の一歩手前の細胞が、骨髄を占拠しますが、

この細胞は、作っても、すぐに壊れてしまいます(無効造血)。

血液細胞には便利な機能があって、

不良品の細胞は、自殺するという仕組みが備わっています。

しかし、病気が進行すると、この機能を失った細胞(=白血病細胞)が、

増殖して、白血病と同じ状態になります。

この状態になると、MDSが白血病に進化したということになるのです。

 

再生不良性貧血の原因は、今のところ不明ですが、

最も有力なのは、自己免疫疾患説です。

免疫細胞が自分の造血幹細胞を敵だと認識し、

攻撃してしまう病気だと言われています。

造血幹細胞が減ってしまえば、血液中に流れる血液細胞の数も減ります。

結果、すべての血球が減少してしまうのです。

白血病、MDS、再生不良性貧血は、相互に移行しやすく、

類縁疾患だと言われていますが、その理由は分かっていません。

 

血液検査だけでは、どの病気なのか判別することができません。

詳しいことは、骨髄検査をしてみないと分からないそうです。

故に、その日は、骨髄検査の予約だけをして帰りました。