『...あの!森田さんですか?』
「あぁ、はい。どうかしましたか?」
『放課後少し教室で待っていただいてもいいですか?』
今日からバスケ部の練習あるけど、中途半端な入部時期だし、まぁそこまできっちりしなくても大丈夫だよな...。
...この子も多分保乃ちゃんに告白したくて、保乃ちゃんと仲の良い私に声掛けたってところかな。
最近多いんだよな...笑
この子めっちゃ可愛いけど、保乃ちゃんの好きな人は渡邉先生だからなぁ。
叶わない恋、か。
「あぁ、全然いいですよ」
『ありがとうございます!!ではまた放課後に...。』
「はーい」
お手洗いから戻ると、凄い勢いで保乃ちゃんが駆け寄ってきた。
『なぁなぁ、ひぃちゃん!』
『お昼食べ終わったらグラウンド行こ!』
「え〜、面倒臭いなぁ...てかなんでグラウンド?」
『ひぃちゃん知らないの?午後に先生達がサッカーするんだって!』
「ふーん。」
成程。保乃ちゃんは1人で行くのが心細いから一緒に見に行こうと言っているのか。
『なぁ!いいやろ?』
まぁどうせ暇だし、着いていくぐらいいいか。
「わかったよ。」
「ただ、最前列で大声出して応援とか辞めてね?目立ちたくないからさ。」
『わかっとるよー』
『先生達の試合楽しみやな〜。』
保乃ちゃんはよっぽど午後の競技が楽しみだったのか普段より早く食べ終わり、私を急かした。
『ほら!ひぃちゃん早く!!』
「わかったから!保乃ちゃん急ぎすぎだよ〜」
保乃ちゃんがウキウキで走っていくのを見て、何故か足が動きずらかった。
...さっきの子を気にしているからだろうか。
分からない。